『カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ!?』(高城剛:集英社)
カジノ法案という形で話題になっていたIR(Integrated Resort:統合型リゾート)の解説本。
著者の高城剛さんは上はフォーマル&下は半ズボンという出で立ちの印象が強かったが(笑)
クリーンなカジノ産業を立ち上げて経済を活性化させようという狙いに対して、世界のリゾートの取り組みについて、歴史と現状をデータを元に解説している。
シンガポールの取り組みを見ると、カジノ利用金額の差にひたすら驚かされた。
一般:観光でお小遣い程度を使う。大多数。
小VIP:年間1,000万円~5,000万円を使う。2万人程度
VIP:年間10億円~20億円を使う。2,000人程度
超VIP:年間100億円~200億円を使う。200人程度
- 1ベットで7,000万円を使うようなスーパーVIPをいかに惹きつけるかが収益の肝。
- ゴージャスなホテルや巨大なアトラクションやショーはVIPを引きつける撒き餌であって、一般観光客の落とすお金はあまりあてにしていない。
- カジノの法規制は厳密に運用されており、施設においてカジノが占める床面積は5%以下に抑えられている。しかし、収益の大半はカジノで稼いでいる。
- 自国民がカジノ依存症にならないように、そもそも入場料を高くして規制をかけている。
- その上、交通インフラも含めた全体最適を図るように設計されている。
マニラ・マカオ・フランス・ラスベガスなどの地域のIRを紹介しながら、日本のIR政策を考察しているが・・・
他アジア諸国の超豪華リゾートとVIP客の奪い合いになっていくわけだが、一般観光客の来日人数をKPIにしても意味がない感じ。従来の観光産業振興とは全然別物なんだね。
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