2018年10月10日水曜日

20181010:競争戦略論II

『競争戦略論II』(マイケルE.ポーター:ダイヤモンド社)

ポーター先生の論文集 第1部が企業の競争戦略に関する論文だったのに対し、第2部では国・クラスター・立地の競争優位について解説した論文を収録。
さらに新版では環境対応・都市部低所得地域・医療に関する論文も追加されている。

ITによって世界が身近になった昨今、上手にWebサービスを使えば世界中から安い部品を調達することができ、自社のコストは下がる。しかし、そのサービスが他社でも使えるならば競争優位には繋がらない。
ローカルで拡散しにくい暗黙知を活用しながら、地域固有の資源を活用して独自の強みを磨かなくてはならないということ。それは企業だけでなく地域も同じ。

国・クラスター・リッチの競争優位は
  • 企業戦略・構造・競合関係
  • 生産要素条件:労働者やインフラなど
  • 需要条件:国内市場の性質
  • 関連産業・支援産業:世界的な供給産業など

によって決定される。この4つの要素の間に働く要因を考えるフレームワークが「ダイヤモンドフレームワーク」
実務家が社内で使うというよりも、政策担当者などマクロに関わる人が使うものだが、地域進出を決めるときの要因調査には有効な感じ。

身近なクラスターでは、日本のプラモデル製造の90%は静岡県となっている。
ガンプラのバンダイをはじめとして、タミヤ模型・ハセガワ・アオシマと名だたるメーカーが揃っている。
金型やパッケージなどの関連産業も集約し、そのような産業で働くスキルを持った人も安定して供給され、企業間の競争も存在し、目の肥えた日本の消費者が身近にいるという点から生まれてると言えるだろう。

クラスターを作って地域経済を活性化させようという取り組みは無数に行われているが、持続的に成功して存続することはとても難しい。
私たちはもっとガンプラから学ばなくてはならないようだ(笑)





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