2017年3月6日月曜日

20161026

『いたいコンサル すごいコンサル』(長谷部智也:日本経済新聞出版社)


AT・カーニーとベインでコンサルタントとして都合16年パートナーまで勤めた後に事業会社に転じてコンサルを使う側を経験してきた著者が両方の立場を踏まえて書いた本。
「全コンサルが青ざめる、本音ベースの攻略本」とカバーに書いてあったりする。
コンサルの歴史として
1世代1980年代:輸入者(外資系戦略コンサルティングが日本初上陸)
2世代1990年代:起業家(尖った変人が多い異分子。第1世代から直接指導)
3世代2000年代:エスタブリッシュメント(コンサルはかっこいい仕事。学歴エリートがこぞって志望)
4世代2010年代:大衆化(稀少性がなくなり有象無象の集まりになった) と解説されている。

リーマン後は業界再編もあって「コンサルタントの目線も日常業務に埋もれ下がる一方である」「クライアントに迎合したサービスが増えてきている」と手厳しい。
「コンサルティング業界を2〜3年で去った人が書いた本もあれば〜」と軽くdisってるのはもうお約束か(笑)
本著はクライアントがコンサルにぶつけるべき10個の質問を上げている。
コンサルには「これくらいスラッと出来るようになれ」と気合を入れ、クライアントには「いたいコンサルに付き合って金をドブに捨てないようにきちんと見抜け」と釘を刺している。
コンサル業が成果を出せないのは、ぬるいコンサルとゆるいクライアント両方に責任があると述べているように感じるが、コンサルとしてやっていく以上はプロフェッショナル意識と常にそれを確認されている緊張感を持たないと・・・ コンサルタントの4つの資質が後半で紹介されていた。
1)マゾヒスト的な資質:過酷な労働環境でも愚直に努力を積み上げ、這いつくばってでもやる人
2)ナルシスト的な資質:自分自身が商品なので、自分を磨く意識を持つ人。
3)強い知的好奇心:常に新しいことをなんでも知りたがる。

4)天邪鬼な性格:客観的な立ち位置から、門外漢にしかできないものの見方で、新鮮な示唆を提供するのが仕事。クライアントの思い入れを真に受けるのではなく、斜めから見て提言する。


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