2017年3月6日月曜日

20170110

火曜は西山先生の財務分析と財務管理。


大手自動車メーカー企業2社の財務諸表を見ながら比較分析演習。

【今日の分析メモ】
・自動車大手は金融を柱にしているので、BSを見ると金融資産が結構入ってきている。販売網が系列化できているので自動車ローン販売に力を入れてきた。販売金融事業では借入金を多く使うことになるので、BSは膨らんでくる。
IFRSを採用していると、自動車ローンでも1年以内に回収(返済してもらえる)分は流動資産、1年以上の部分は非流動資産で分類する。日本の会計ルールでは本業から生じたもの出れば流動資産に入れる。
・会計ルールによって研究開発費の処理が違ってくる。IFRSでは基礎研究は費用で処理するが、応用研究については資産に計上して発売と同時に原価に組み込む。日本の会計ルールでは研究開発費が売上原価と販管費の両方に入ってくる。応用製図コードをつけているものは売上原価、そこまでは決まっていない研究開発の場合は販管費くらいの位置付け。
・絶対額だけでわかりにくい場合は、資産や売上の額に対する比率を見る。利益剰余金を総資産の割合とか、売上高に対する研究開発費の割合など。
・リーマンショック(2008年)前後の動きを見ると企業経営の姿勢が透けて見える場合がある。大半の企業は赤字に転落した時期ではあるが、在庫回転期間や仕入れ債務回転期間、粗利益率の推移を見て経営の動きを推測できる。
・新規事業セグメントが加わっているか?なども将来的な取り組みを見ていくと良い。
・外資規制のある中国の事業会社など、子会社になっていない事業に関しては「持分法による投資利益」として営業外収益として計上されている。地域セグメントに入ってこない可能性もあるのでそこも踏まえるべし。
・自動車ローンは質が良い金融事業。100万円〜200万円を個人に広く貸しているので、1社に1000億円貸すよりもリスクが分散されている。見込みが立ちやすい金融商品なので、まとまったところで投資会社に販売していることも考えられる。

・有価証券報告書の対処すべき課題を見ておく。定性的なビジョン重視か、コミットする数字重視か、ものづくり重視か、マーケティング重視かなどの経営カラーがでる。数年分見ておくとその時点で何を重視する傾向にあるのかが見えてくる。

0 件のコメント:

コメントを投稿