2017年3月6日月曜日

20160910

『人工知能×ビッグデータが「人事」を変える』(福原正大・徳岡晃一郎:朝日新聞出版)


著者の福原氏のセミナーに参加し、採用・育成・異動などにAIがここまで活用され始めているのか!?と驚いた。
人が人を評価する際、観察可能な対象者の行動と結果からコンピテンシーや意識などを「評価者の主観」で推測して抽出しているはず。
膨大な観察データから特徴量を見出していくディープラーニングの手法はまさにぴったりなのかもしれない。

学生にも社員にも360度評価を行って集めたデータをAIで解析し、自社の特徴と応募者の特徴を見出して採用のスクリーニングを行ったり、社内の人材配置や育成の基盤データに使うというもの。
アプリを使って入力も簡単にし、仲間内で結託してお互いを高く評価してそうな点も自動で検出して排除しているそうな。
360度評価の設問も「積極的に行動してますか?」と言ったダイレクトなアンケートではなく、ゲームなどを通じて行動心理学から関連付けられたコンピテンシーを見出していく。

採用時のテスト例として、被験者にパソコン上のゲームをやらせて、評価者が見ているのが「マウスのさばき方」というのは驚いた。
膨大なデータから特徴量を見出して自社にマッチする人材・必要な人材をスクリーニングするというのは科学的であり効率的であるというのが本書の主張。
確かにディープラーニングで特徴量を見出して、心理学研究のエビデンスに基づいてコンピテンシーと紐付けているのは合理的だし、その因果関係が直接的には見えにくいので就活対策本ではカバーしにくくなるわな〜
暗黙知は形式知化して行かねば!とは良く言うものの、人間関係にまで入り込むのは拒否反応があるだろう。
そのあたりはしっかり配慮します、という趣旨の文章がたくさん入ってた(笑)

AIは倫理の問題も含んでくるので、考えることは沢山だねー


0 件のコメント:

コメントを投稿