2017年3月6日月曜日

20161014

最終回のプレゼミは平野正雄先生。
入学前の講義体験でやったので、今日はご自身のマッキンゼー時代とカーライル時代に得た生の学びを披露いただいた。

【マッキンゼーの価値観】
1)Professionalism
1-1)会社のためにではなく、顧客の利益のために尽くす。
1-2)高度な専門知識・技術を備える
1-3)極めて高い職業倫理を有する
プロフェッショナルはアングロサクソン系の職業概念。
患者を治療する医者と同じで、病院のためにではなく患者のために専門知識を使い、高い倫理観で仕事をするのが真のプロフェッショナル。
大前研一の本によると「profess」はもともと「神に誓いを立てて、これを職とする」という意味があり、ヒポクラテスの誓いに顕著に表れているそうな。
本来は経営者もプロフェッショナルなはず。
日本のメディアが使う「プロ経営者」のプロとはニュアンスが異なる。

2)Problem Solving プロソルと略すのは初めて知った・・・
縦軸にLogical Thinking↑Creativity↓
横軸にAnalysis←Integration→ として4象限を取ると、論理的に解を導くのはロジカルシンキング。
でもロジカルだけでは皆と同じ解に行き着いてしまって差別化できないので、創造性も重要。
要素分解してバラして考える分析的アプローチも必要だが、要素を統合して新たな気づきを得ることも大切。
問題を解決する能力だけでなく、問題を見つけて具現化して見せることも重要になってきている。

3)Aspiration 本当にやりたいこと、野望みたいなことを持つべし。
企業の経営理念にも繋がると思う。
「そもそも、この会社であなたは何をなしたかったの?」という問いに対する答えだね。
この辺の概念を実感したい人はガンダムユニコーンを見よう(笑)

+)Expertise 深い専門知識・得意分野を持って、初日からクライアントと深い議論ができないとNG
「そんなこと分かってる」と言われた日には目も当てられない。
プロが集まる中で「この件だったら彼に聞け」と言わせるくらいの深い理解をしておくべし。

【マッキンゼーの採用】
1:問題解決能力
2:コミュニケーション・チームワーク。人を動かすスキル
3:GRIT やり抜く力
特にビジネスにおいては優れたアイディアだけならいくらでもあるが、それを実現して結果を出すようにやり切れるかが重要。
この辺りは稲盛さんの本に嫌というくらい書いてあるな(笑)
GRITめちゃだいじ」

【マッキンゼー関連】
・マッキンゼーと名のつくビジネス書が山ほど出版されている。大概はOBが好きなように書いてる。「マッキンゼー1年目の教科書」とあるが、1年しか在籍しなかったのに良く書くなぁと感心した(笑)
UP or OUTと言われ、半期に一回厳密な評価を受けてパフォーマンスが悪ければイエローカード、さらにもう一回評価が悪いと退場となるが、ほとんどの人は自分の決断で辞めていく。そもそも生涯をマッキンゼーで過ごすつもりで入る人なんていない。
・メリトクラシーという考え方がある。本人の能力が発揮できる職場にシフトさせて、最大のパフォーマンスを引き出すことが本人にとっても職場にとってもハッピーになる。
・マッキンゼーではデュアルミッションと言って2つのミッションがある。1つ目は「クライアントの持続的成長」2つ目は「優れた人材にチャンスを与えて成長させる」こと。その人に成長してほしくてたくさんフィードバックをする。
人を中心とした組織。欧米では次世代の人材育成をトップの仕事の根幹に据えているが、日本ではその5分の1くらいの予算や手間しかかけていない。
経営者は職場をローテしてれば自然に育つようなものではない。
手間暇かけて修羅場をくぐらせて勉強してもらい、成長させないと育たない。
欧米はそのことをよく知っている。GEなどは良い例。
・コンサルは結局のところ、なくなっても困らない虚業。自分でリスクをとってチャレンジしたい、エージェントではなくてプリンシパルになりたいと思う人は卒業していく。
・マッキンゼーでは受注した金額を評価対象に入れない。お金を評価に入れると他の人を押しのけ始めてしまう。そもそも超高額な報酬を得ているのでセコイことはしない。
・マッキンゼーで1億円の年俸をもらってるとビジネス書に書かれてクライアントから随分嫌味を言われた(笑)
・大前研一は今の民度では許されない傍若無人の人で、とんでもないことをとんでもないタイミングで平気でいう人だった。彼からツッコミが入るというのは自分の仕事が甘いということ。話半分に聞くようになってまともに付き合えるようになった。

名言「MECEに考えるのは論理的思考の基礎」「Life is not MECE, but MESSY」実際のところはぐちゃぐちゃ。

【カーライル編】
・プライベートエクイティは企業を買収し、価値を上げて売却する。全世界で300兆円のお金が投資されている。
・メディアではハゲタカファンドなどと言われることもあるが、安易なリストラなどしない。そんなことをしているとお金を集められない。
・友人の手伝いでカーライルに入ったが、手がけた中で最も重たかったのはウィルコム案件。DDIポケットからカーライルが買収したが、京セラの稲盛さんが会長として入ってきた。稲盛さんはマジ神。通話定額のPHSでかなり普及した。
・ソフトバンクの孫正義がボーダフォンを買収してホワイトプランを出した頃から通話定額の価格競争が激しくなった。高速PHSに移行するための設備投資に備えて巨額の借り入れをしたタイミングでリーマンショックがきて借金が返せなくなり、結局会社更生法のお世話になった。この時のウィルコムの処理がかなりしんどかった。
・ウィルコムに電波利用の免状をくれたのは櫻井翔のお父さんだった(笑)良い人だった。

【大切な要素】
Decision Maker 決断できること。非常に難しい
Architect ビジョン・戦略・組織をデザインできる
Inspirer 人を動機づけて動かせる


これで春から行われてきたプレゼミが終了。 多くの先生の授業を受けられたのはとても楽しかったし、WBSの理解が深まったかなー

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