2017年3月6日月曜日

20161112


1限は岩村先生のファイナンス。
・リスクにチャレンジするというのは宝くじを買うのと同じ。事業の不確実性を分解していくと、成功と失敗のシンプルな二項分布にできると思って良い。つまり宝くじ。
・お金は借りちゃったら借りた人のもの。債権者は経営には介入できない。
・市場の予想を裏切って追加の資金調達に成功すると、既存の債権者から株主に対して所得移転が生じる。企業はその時々の条件に応じてフェアに資金調達をしているだけ。
・「市場の予測を裏切って」が重要なテーマ。資金調達の際に、そんなことする気は無いのに高いリスクプレミアムを取られてしまうと問題。「追加的な資金調達はしません」と言う約束はしても反故にできるから意味がない。資金需要は事業次第だし。その代わりに社債の発行条件の中に自己資本比率を一定以上下げないと言う債務制限条項を設けて、反すると期限の利益を喪失する(すぐに返済する)としておく手もある。しかしながら、条項に抵触してお金を返さなくてはならない事態になるのもまずい。
・銀行への資本注入は、自己資本比率が低くなりすぎた銀行の信用を高めるために行われた。銀行は株主の方を見ているから、今の株価程度で資本を入れられても困ると思っている。渋る銀行に強制的に資本注入した結果、株主から既存債権者に富の移転が起こった。
・自分が(日銀時代に)やったことだから、自己合理化をする。「国民の税金を使って銀行を支えている」と批判を受けたが、税金を銀行に差し上げたわけではなく、銀行の既存の株主を痛めつけただけ。銀行の株価(市場価格)に従って第三者割当増資を行わせた。サプライズだったら株価が下がったかもしれないが、既に想定されていたので株価はそれほど下がらなかった。
・一定の資産を切り出して証券化されて契約で固めてしまうと、後出しじゃんけんを防ぐことができる。しかし、外から来る変化に弱い。柔軟な経営をする経営者が回避できるはずのサブプライムローンとか。

【岩村語録】
1129日にイノベーション・ファイナンス国際研究所のイベントで対談する。日本銀行はもう無茶ができないから、もう少し追い詰めておこうかな、と思ってる。
・ビジネスモデルはどうですか?と思ったら根来先生に、顧客をどうやってだまくらかすか?と思ったら内田先生に、どうしたら従業員が働いてくれますか?と思ったら杉浦先生に、計算合ってますか?と思ったら西山先生や小宮山先生に聞きに行けば良い。
・財務の人は何もして無いでしょ?タービンがよく回るようにしてないよね。よく考えれば、ビジネススクールの卒業生は何もしてないんですよ。財務担当者ができることは所得移転を起こすことです。
・法学部で「企業金融1」と言う授業をやっている。1と付いている割には2とか3はないんですけどね。とりやすい時間帯に授業をやったら300人くらい集まって採点が大変だった。採点しやすい問題を出したら「熱意を評価する問題を出してください」とテストの回答用紙に書いてきた学生がいた。「そうか、記述式の試験問題を出せと言うことか」と思って試験問題を改めた。授業のコマ位置を調整して金曜4限にたどり着いて、今は100人ちょっと。4年生は追試を受ける権利を持っているので、なるべく卒業させようと言う意図がある。ビジネススクールにはそれがない。

3−4限は「なんすかねー」関先生の生産管理。
学生のプレゼン大会なのだが、資料は3枚・発表は3分とエレベータテスト(役員とエレベータに乗って降りるまでの間に説明しきる)に対応するための仕様・・・のはずであったが、先生はすごく高いビルで遅いエレベータに乗ってくれていたらしい(笑)
割と生の情報が聞けて勉強になるが「面白くてずっと聴いてたら時間なくなっちゃった」とのこと。

5−6限は山根先生のマネジメントコントロール。
淡谷のり子のモノマネが上手かった・・・
今日はインセンティブと人事組織の話 戦国武将で寝首をかかれるのは大概恩賞の話。
経営者が最もセンシティブで、矛盾が多いけど決断しなくてはならないテーマ。
ビジネススクールでは理論を学んで枠組みを知ることが大切だが、具体的にどうすんだよと言う問いに対しても具体的事例がポンポンと出て来るのも大切。
インセンティブがたくさんある会社=成長している会社。
今いる社員向けだけでなく、将来来てくれるかもしれない社員に向けてもインセンティブを設計して示すことは重要。
これからは感性価値が重要になる。
エンターテイメントビジネスの考え方はどのビジネスにおいても重要。
感性が乗って来ると「良い・悪い」の軸に加えて「好き・嫌い」の軸が出て来る。
これらの感性価値を高めていく取り組みは、経験を積み上げて工業製品を作っていたのと同じ組織設計やインセンティブのままではうまくマッチしない。環境に則した設計とマネコンが必要になる。


7−8限はM2有志によるゼミ紹介プレゼン大会。 学生からの先生やゼミ生活紹介が生々しくて面白かった。生の情報は大変ありがたい。 来年は自分たちがやる番だもんなー

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