2017年3月6日月曜日

20170103

『シチュエーショナル・ストラテジー 環境に応じて戦略を使い分ける』(池上重輔:中央経済社)


WBS池上先生の戦略の著書。
アキバのメイドカフェが出てくるのに真面目な戦略論の教科書は希少であろう(笑)

戦略理論はポーターやバーニー、ブルーオーシャンなど様々あるが、中には相反する要請があったりして「どっちやねん!」と言いたくなることもあったと思う。
「結局のところ実践してなんぼだから、使うのは環境によりけりだねー」と多様な戦略論を納得させた人も多いのではなかろうか。

本著は「その環境ではどんな戦略が適しているか」というメタな観点で戦略論を統合させようと試みているのが大きな特徴。
それぞれの戦略論について「戦略が想定している前提条件」を明らかにしながら概要を解説し、さらにそれらをどのように使い分けるべきかを述べていてとても勉強になる。
事例も豊富に交えていて文章も読みやすく、個々のテーマ自体も理解しやすい。
池上先生お得意のブルーオーシャンに加えて、遠藤先生の現場力まで一冊で統合している本はこれが初めてじゃないのかなというレベルで新鮮で興味深かった。

ただし、初学者向けというよりも、一通り戦略論を学んだ方が読んだ方が「そうだったのか!」「そうですよねー」と腹落ちする学びが多い感じ。
お馴染みの先生方が総登場するのでWBS生は必読の書。
巻末の参考文献リストも重宝しそうで良いですなー
そしてチマチマとコメントしている脚注が面白いので見逃すべからず。
論文の脚注を装っているが、時々気軽なコメントも混ざってる。
ニッチ市場の例として秋葉原のメイドカフェ群を挙げているのが面白かった!
確かに流行り始めてから、差別化を図ってニッチなニーズを追い求めた結果、どこがメイドなんだかという訳のわからぬカフェが乱立したものなぁ。
脚注で「メイドカフェの項目はIT企業の方からインプットいただいた」とわざわざ書いてあるのも面白い。

まぁ、大人ですからそういうことにしとこう(笑)


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