2017年3月6日月曜日

20170104

『ガンダム・センチネル ALICEの懺悔』(高橋昌也:大日本絵画)


最近話題の人工知能AIに関する本の紹介!・・・嘘ではない(笑)
軍部有力者がパイロットの大量失職を防ぐために人工知能と無人機の研究を封印するという、なかなかに考えさせられる設定。地球連邦軍のように雇用を抱えた巨大組織となってしまうと、兵士の損耗がない無人機開発に対してもインセンティブが変わってくるのだなぁ。
人工知能を搭載した主人公機の正式名称は「スペリオルガンダム」なのだが、商標の問題で使えず「Sガンダム」という略称を使う羽目に・・・エルメスなどガンダムでは良くある話(笑)

本と一緒に写ってるのが追加パーツを装備したEx-Sガンダム。
少女の人格を持っている人工知能ALICEの正式名称は「Advanced Logistic & Inconsequence Cognizing Equipment(論理・非論理認識装置)」で、人格完成のために教師付き学習を必要としている。
人工知能の教師となれるのは父でもあり恋人でもあり、不条理でわがままで危険な男で、人工知能の少女に思春期を経験させた上で恋が成就することなく立ち去らなくてはならないという、男の夢とか勇気とかファンタジーとかその辺りの要素がやたらと詰まった設定に仕上がっていて中々に香ばしい(笑)
この人工知能のおかげでピンチの時にはガンダムが自動運転に切り替わって敵の攻撃を避けたり撃墜したりするのだが、パイロットはその過程に全く関与できないという割とエグい設定。

ガンダムブーム初期の1987年〜90年に誕生したのだが、映像化されておらずプラモの発売も遅かったこともあって宇宙世紀作品にも関わらずマイナーなポジションに甘んじていた作品・・・今後も変わらずマイナーのままだろう。
時代はZガンダムのグリプス戦役の最終盤(ZZZの狭間)で、地球連邦軍内部で発生したクーデターを主人公たち特殊部隊が鎮圧するという局地戦の話。
ストーリープロットは0083に近いものがあり(裏では色々あったそうだが・・・)、主人公たち若者を差し置いて、敵味方とも渋い大人キャラが良い仕事をしている。
何気にガンダムのモニタに映るコンピュータ画面がPC-88ASCII文字のゲームのような画面だったりする辺りがとてもセンチメンタルだね。


オッさんホイホイかもしれんが。



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