2017年3月6日月曜日

20170210

『ニューロマンサー』(ウィリアム・ギブスン著 黒丸尚訳:ハヤカワ文庫)


サイバーパンクのジャンルを確立したギブスンの作品。日本で有名なのは攻殻機動隊やマトリックスやね。

退廃した近未来SFものをベースとし、脳のデジタル化によって人がネットワークに直接没入(ダイブ)する電脳世界を取り込んだ画期的な小説で、オリジナルは1984年。SF懐かし作品のリバイバルが多いので、読み返してみた。
小汚い系の近未来SFでは何故か日本企業が財閥を形成して世界を牛耳っていることが多いのだが、この作品でも日立やソニーが登場。サンヨーまで登場していたのだから、80年代の日本企業の強さを思い知らされる(笑)
治安が悪化して市場での取引コストが上がっていれば、企業はコングロマリットを形成するんだね(グローバル経営の復習)


作品はドライブ感満載の描写になっているが、独特の固有名詞が説明なく次から次へと降りそそいで来るので、雰囲気を楽しみながら勢いに任せて読むのが合ってる感じ。ミステリーみたいに事実関係をしっかり読みたい人には小難しい作品に映るかも。初めてエヴァンゲリオンを見るときの心境で臨めば大丈夫ではなかろうか(笑)


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