2017年4月19日水曜日

20170418

火曜は伊藤先生の「組織の経済学」本は参考図書の1つ

組織をモデル化して理解するというアカデミアからのアプローチ。
目から鱗のポイントが多くて面白い!

ゲーム理論
お互いの利害が絡み合っている状況で、どのような結果に落ち着くかを調べる学問。自分が直面している状況をゲームで考えて、どのように設計を変更して別のゲームにするかを考える。

囚人のジレンマ
前提条件:1回限りで、お互いの意思疎通がない状況での意思決定
相手の意思決定によらず、自白という戦略が黙秘を強く支配する。
支配戦略:その戦略を選んでいれば、他の選択肢よりも利得が減ることがない。
価格の値付け競争でも生じ、それを一般化したのがベルトラン競争。

【課徴金減免制度】
企業同士で談合すると独占禁止法に引っかかるわけだが、課徴金減免制度(2006年1月)によって、自白のインセンティブを与えたところ結構な申請が出てきた。制度で囚人のジレンマ状況を作り出して自白を促したということ。

【相対業績】
労働者A・Bは「努力する」「怠ける」の選択肢があるものとする。
労働者を「相対的に努力量を比較して人事評価する」ことにすると、お互い努力するというのが支配戦略になる。

【チーム生産】
お互いの「努力する」「怠ける」によってチームでの収益が決まり、それを分配する場合。自分が怠けた上で相手に乗っかるフリーライダー問題が生じる。
分配の仕方を設計すれば、努力させる結果を導くことはできる。

【パレート効率性】
パレート効率的:全会一致で動ける状態が他にない状態(プレイヤーの誰かの利得が減ると反対して他の状態に移ることができない)
分配の仕方を変えることができれば、パレート効率的かどうかの判断が変わる。
*ナッシュ均衡:相手の意思決定を所与としたとき、自分が単独で選択を変えても得をしない状態

【価値最大化原理】
メンバーの利得が最大となることが、組織の状態がパレート効率的である必要十分条件になっている。
しかしながら、分配の仕方を変えてもファーストベストの成果を得ることはできない・・・

コーディネーション・ゲーム
囚人のジレンマと異なり、利害対立がない状況下でも起こりうる問題。
皆で同じ目標に向かっていても、相互依存があって予想の不一致が生じるとコーディネーションに失敗する。また、予想が一致したとしても最善のコーディネーションになるとは限らない。

【チーム生産】
仕事A・仕事Bがあり、お互いが分担するとOK&同じ仕事をするとイマイチな成果とする。自分がどちらの仕事をするかは、相手が選ぶ仕事によって変わる。A・Bの間に支配関係はない。
予想が外れてコーディネートに失敗する(2人が同じ仕事を選んでしまう)とパレート効率でない結果に終わる。予想が当たってコーディネートに成功したとしても、パレート効率的な状態になるとは限らない。

【リスク対立】
利得の上では有利でもリスク(利得の振れ幅)が生じると、選択が異なってくる。
リスクが低く確実に利得を選ぶ戦略を選びがちとなる。

トラスト・ゲーム
今日はゲームだけで終了。謎解きと解説は次週!

【伊藤語録】
  • 先週伝えたかわかりませんが、この先、組織と市場の選択の話は今後しないんです・・・先週言ってなかったみたいですね。
  • 囚人のジレンマの勉強をしますが、皆さん収監されることには興味ないわけですから、組織の話にしましょう。
  • しません。そのような難しい話はしません。ええ、しません。
  • 重々このパートは大変だなと思ってました。皆さんの反応は予想の範囲内です。

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