2017年3月6日月曜日

20160821

『経営の失敗学』(菅野寛:日本経済新聞社)
 WBSで秋学期の戦略系授業を担当される菅野先生の本。


「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の 負けなし」とは野村克也の名言として知られているが、元は江戸時代藩主松浦清山の言葉だそうだ。
成功した企業のやり方を学ぶのではなく「ビジネスは本質的には失敗するものである」という前提の元、過去の失敗事例から将来に活きる教訓を学ぶことが大切というスタンスの内容。
本書では失敗が下記のように分類されている。
・考えるアプローチ、頭の使い方がずれている
・戦略の筋が通っていない
・顧客が求めていない価値を提供してしまう
・定性的なロジックの詰めだけで満足して、定量的な数字の詰めが甘い
・リスクは不確実性に対処しない
・「地雷排除」が行き過ぎた結果、戦略が尖っていない
・実行に必要な徹底度が足りない
・実行者の意識・行動を変えていない

それぞれの章で多くの企業の失敗事例がフレームワークで情報を整理して解説されているので解りやすい。
切れ味鋭くぶった切ってくれていて、さすがBCG出身。

そして、紹介されている失敗ケースは日々の仕事の中でも結構見受けられるのが恐ろしいし「これじゃいかんわな」と反省する材料になる。精進精進。


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