2017年3月6日月曜日

20160914

『チャランポランのすすめ』(森毅:ちくま文庫)


数学者:森毅先生のエッセイ集をブックオフで買って久々に読み直した。
前に読んだのは高校生の頃だったなぁ。

著者は学生時代に戦争を体験した世代なので、標準化・統一化といった横並びにしようという体制に大いに批判的だったりする。
昔読んだ時は「やはり学校の詰め込み教育は間違っている!」と教師批判の考え方に寄っていたような気がする。
まぁ、寄っただけで具体的な学生運動をするでもなく、本を読み、ガンダムを作り、ゲームで遊んでた学生時代だったが。
冷静に考えれば今とちっとも変わってない(笑)

大人になってから読み返してみると、森先生の言うチャランポランの難しさというか、厳しさを感じる。
体制の言いなりにならず、自分の好きなように多様な価値観を認めながら生きるってことなのだけれど、これって社会通念とか常識とかに守られない環境であっても自律して生きて行く強さがないと実現しえないのだ。
自由気ままに権力に逆らって生きながらも、何かあったら権力にすがって言いなりになるようでは真のチャランポランとは言えぬ。
一人きりでも自分が決めた道を行く勇気がないと、筋金入りの堂々たるチャランポランにはなれんのだ。
・・・なにやら語義矛盾が生じそうな感じだが(笑)
子供の頃読むのと大人になってから読むのとで、学びは違うなーと改めて感じた。

後半の数学エッセイも面白い。
「最近の若者は勉強してない」と教育制度を嘆く論調は常にあるけれど、戦前の大学入試の数学には正気とは思えない難問がゴロゴロしてた。
高校生の時に解こうとして唖然としたのを覚えてる。

戦前の時代も「西洋学問の真似ばかりで勉強しない」と嘆かれていたのだからいつの世も若者は大変だ。


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