2017年3月6日月曜日

20161115

今日の西山先生の管理会計。


・「営業は値引かない!原価低減を徹底して頑張れ!大概の事業では販促費よりも価格の方がインパクト大きいのだから、販促をかけて大事なものを守れ!」管理会計の大事な教え。
・「NPVIRRも大切だが、最も大切なのは前提となる数字をどう作ったか。現場を知っている人にも入ってきちんと計画せよ」明らかに楽観的すぎる投資計画であれば30秒もたない。
・管理会計はツールなので、丸呑みする必要はない。使えるものを選んで適宜アレンジして使うこと。

【リスクのバランス】
事業内容に応じて、どれだけ借金ができるか決まる。
事業リスクが高い場合は、財務リスクを抑えめに。エンタメ業界とか。
事業リスクが低い場合は、財務リスクを取っても大丈夫。規制業種など。
事業リスクが低く財務リスクも低いのは保守的な経営をしている。オーナー経営の割合が多く無借金経営が多い食品業界は該当するかもしれない。
無借金経営を家訓とした日清食品が例。
事業リスクが高く借金が多いのは危険。震災前に市場がシュリンクしていた頃のゼネコンの一部が該当していたが、今はオリンピックがあって絶好調。

ROE:自己資本利益率の注意点】
・規模や成長という観点が入ってないので、縮小均衡にならないように気をつけるべし。
・事業のステージによって差が出てくる。成長期は増資をして事業を拡大しても、利益が出遅れる(一旦ROEが下がる)

ROIC:投下資本利益率】
・資金提供社から見たときの投資効率で、WACCとダイレクトに対応する。
ROEだけだと「時流に乗ってるな」と思われるが、当社はROICも見ていますとすれば「わかってるな」と思われる。

EBITDA
Earnings:利益 Before:差引前 Interest:金利 Tax:税金営業利益 Depreciation:減価償却費(費用ではあるが、当期に支払いのない費用)Amortization:無形資産の償却費
営業活動キャッシュフローに近い値と思って良い。
EBITDAマルチプル:(D+E)÷EBITDA 安定期に入った企業であれば5倍くらい。業界によって特徴が出る。

【格付け】
・企業の債務の弁済能力の評価。「金を貸しても大丈夫か?」「予定通り金利を払って返済できるか?」を評価した指標。格付けが下がると金利が上がる。AAA / AA / A / BBB / BB / Bと分けられ、BBB以上は安心。さらに次の3つに細分化される。 BBB+ / BBB / BBB-
・格付けは企業が借金を返済できるかどうかだけを見ており、成長などは見ていない。「今の社債&借入金の大きさ」「将来的に安定的にキャッシュフローを生む出す力」で格付けが決まるので、借金をせず、ブレる事業をしないようにすると格付けは改善する。
・格付けが良いからといって、株主から見て良い企業とは限らない。借金を使わない企業は財務レバレッジを効かせていないということになる。過去に「格付けAAAを目指す」と発言した途端、株価が暴落した企業もあった。格付けと株価はバランスをとることが必要。
・ソフトバンクの動きを例に出すと、派手に大型買収をガンガン進めていくと、株価は上がるが格付けが下がる。格付けはBBBBBくらいで推移している。
 ・ムーディーズは定性情報を見て早めに企業格付けに反映させている一方で、S&Pは数字を重くみるのでゆっくり目に動く。

EVA:経済的付加価値】
EVA=税引後営業利益ー(有利子負債+株主資本)×WACC= 投下資本×ROIC-WACC
WACCを毎年の業績管理に用いるという、ファイナンスを社内の管理会計に取り入れた考え方。資金提供者の要求をどれだけ上回っているかを金額で算出している。理論株価ともリンクし、成長という観点が入っている特徴がある。
1980年代にアメリカの年金が株の運用を始めた頃に生まれた指標。運用会社が投資先をいい加減に選んでいると損害賠償請求を起こされるようになったので、投資先を選ぶ根拠として作り上げた。
・安定した業界であれば良いが、業績に波がある場合は向かないかもしれない。良い時は良いし、悪い時は悪く出てしまい、手の打ちようがない場合もある。敗北感に苛まれる指標。
EVAはスターンスチュワート社が商標登録しているため、EVAという名称はスターンスチュワート社のコンサルを受けないと使えない。同じような内容で名前だけ違う別称が使われている。
WACC以上の儲けが出て入れば価値(Value)が生まれている。利益が出ていてもWACCを下回っているなら価値を毀損していると認識する。
・日本ではソニーと花王がEVAを採用したが、ソニーはもう辞めている。今はあまり採用している企業がない。EVAを算出してから営業利益目標を算出するなどの使い方をすると良いかもしれない。

【バンダイ】
・たまごっちブームが起こった時、増産体制を整えていたらブームが終わってしまった。
・第2次ブームの時も品薄感を出して価格を維持しようとしたが、ブームが終わってしまった。
CTO(チーフ・たまごっち・オフィサー)も厳しいと言ってた。大変だ・・・

BSC
・バランスト・スコア・カードは中長期をにらんだ目標達成のためのツール。
・「財務」「顧客」「内部ビジネスプロセス」「学習と成長」の視点でそれぞれ目標や指標を定め、全体で20個ほどの指標(KPI)を設定していく。人は測る方向に行動するのでKPIの選び方は重要。
・流行し始めた時期にBSCを入れようとした中堅企業がぶち当たった壁は「我が社には戦略がなかった」だった・・・アメリカ企業は戦略が明確だが、現場に落ちにくい。日本企業の戦略はぼやんとしているが現場が強い。
BSCを継続使用している日本企業は少ない。戦略とのリンクをあまり厳密にせずにKPIを取り入れている企業は多い。

今週で講義は終わりで来週はテスト。レポートもあり。盛りだくさんやね

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