2017年3月6日月曜日

20161129

火曜は西山先生。授業は財務分析と財務管理。


ケースを使って財務分析結果の議論をするのは面白かった!
【財務分析の流れ】
・財務分析を行う際は、定性情報をベースに企業のバックグラウンドを把握しておく。財務数字だけ見るのでなく、経済環境・業界情報(フォローorアゲインスト)などを得ておく。
・財務数字と企業のイメージとのズレを絶えず追いかける姿勢を保つこと。そのズレの部分に企業の強み弱みなどのキーになる要素が潜んでいる。
・有価証券報告書や決算短信では「対処すべき課題」も見ておこう。
BSPLを見るとき、最初は大きく見る。売上規模・営業利益などの本業の様子や、どのようにお金を集めているか(自己資金か?/借金漬けか?)、資産はどのように保有しているか(現金で持ってるのか?/設備で持っているのか?)をざっくり俯瞰して見る。
・比率などはROEを中核として、気になった部分を深掘りしていく。
・どの立場で分析するかの観点も大切。商品を売る相手を分析するなら「お金は持っているか/回っているか/借りられるか」を見るし、株を買うなら「収益性/成長性/将来性」も必要。M&Aの対象として見る場合はM&Aの目的に合致するものを持ってるか?など。

【トピックス】
・お金持ちのキャッシュの使い道は負債(借金返済)資産(事業投資)純資産(配当を増やす)の順番が良いかな。
・日本以外では経常利益は存在せず、海外企業との比較では使えないのでご注意。IFRSでも採用されてないので注目度は落ちていく方向だろう。昔、日本の財務諸表を翻訳するときに経常利益をOrdinary profitと訳した。普通の利益てなんだ?となった。海外ではワケのわからん利益としか理解されてない。
・経営者は現在の配当水準を維持したいと思ってるため、よっぽど業績に自信がないと増配しないはず。逆に減配する場合は悲観的に見ている。赤字でも配当を継続する場合は「赤字は一時的ですよ」と見ているメッセージになる一方で、減配するとと「この赤字は一時的ではなく将来は悲観的です」と投資家に受け止められる。
・自社株買いをするときは、自社の株価がお買い得なときに買う=「今の株価は実力値よりも低い」と経営者は見ている=株価が上がる傾向になる。
・自社株買いや配当で金を払うと株価が上がる。増資などで金を集めると株価が下がる。この辺はアナウンスメント効果なので短期中期は上がる可能性はあるが、本質は企業本来の価値次第。
・成長期の場合は目の前に投資案件がゴロゴロあるから配当しない。成長して安定軌道に入ると配当する。ナスダック企業は配当しないことが多い。マイクロソフトが配当を始めたとき「投資先がなくなった、普通の会社になっちゃった」と見られた時期があった。
・業績不振企業の共通点は危機感の無さである(By 日本電産 永守さん)
・(ケースの会社を見て)マイナスのROEの会社には存在意味がないですね。見てると端から問題という感じですが。皆さんが社長として赴任するとしたらどうしますか?社長就任をご遠慮して頂くという選択肢もあるかもしれませんが、ここは遠慮せずに就任するということで考えてみてください。

・収益率はどこまでも上がるものではなく、産業・業界による。良い企業になれば収益性を維持しながら成長していく。企業ステージによって重要視する指標は変わってくる。

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