2017年3月6日月曜日

20170218

今日は「受講生に富裕層のおじさんが多い」第5回の松川先生のIT戦略マネジメント。



午前中は早稲田で授業、午後からIoT企業であるウフルを訪問して見学&講義
今日のガンダムはウフルのオフィスにあったユニコーンガンダムとザク(笑)


【意思決定支援】
IT投資の意思決定を行う者は誰か?企業全体で組織をまたがる機能を有するなら社内保守担当ではなくてCEOの仕事になる。
CEOのプライオリティはリスクにある。株主は将来キャッシュフローが心配になると取締役の入れ替えを行ってCEOをクビにできるので、四半期毎のIRでしっかり報告する必要がある。そのためにはリアルタイムで状況を把握しておく必要があるのでEnterprise Resource Planningが重要になる。
Supply Chain Managementは日本では在庫管理の一環のように思われているが、モノの流れをリアルタイムで把握しておき、問題が発生した時に正しい情報に基づいた対応を取るために重要。現場担当やミドルマネジメントの考えるSCMと違って、CEOはリスク観点に重きをおく。
・製造業は製品をお金に変えていくサイクルを効率よく回すして、ライフタイムバリューを最大化する。大切な情報は部品表(Bills of Material)で、それぞれに売上やコストを管理する情報がコアになる。
・インフラや不動産などのアセットベースの事業ではアセットの稼働率を上げてライフタイムバリューを最大化する。アセットの部品表をコアの情報として管理する。
・システムエンジニアやコンサルなどのプロジェクトベースの事業では、プロジェクト毎の部品表がコア情報となる。
・産業別に基幹システムへのニーズは異なっているが、産業をまたがって行われる事業も増えて来た。システムは組織構造に依存しているので、統合するのは難しい。難しいが故にビジネスチャンスがあるのだが。
・経営者が意思決定に必要な指標を集めるように指示した時、現場で集めたデータや解析結果、打ち手は車内を進むうちにエクセルになり、パワーポイントになり、経営会議にかける時には紙になったりしている。これらのやり取りでは膨大な手間が掛かっているのが実情だろう。これを誰がやるかは大きな問題。

【アライアンス基盤】
・同種のものが一体化したとき、早々に成果を出すためには営業の統合から。ERPM&Aした企業に載せていけば統合が進んでいく。M&Aが盛んな製薬企業が活用している。
・楽天はエコシステムを構築し、ポイントを通じて統合している。
PGは研究開発(RD)をやめて、Connect&DevelopmentC&D)に切り替えた。開発コストを削減して生産性を上げて成功に導いた。
Googleのデータセンターの管理がすごい。自社でサーバを作って消費電力の最適化の元に立地も選択している。
GoogleのサービスやセールスフォースなどSaaSが普及したことで、サーバを自社で持ってソフトをセットアップする必要は無くなった。また、減価償却やリースアップのため数年間運用を固定するという縛りから解放されて、常にその環境に応じて最適な選択ができるようになる時代が来るだろう。

【チェンジ・インテグレーション】
・方法論をフレームワークにしておくと、教育が効果的になり、クライアントと同じ言語を使うことが可能となる。また、過去の事例が同じフォーマットで蓄積されるために再利用しやすいというメリットが大きい。
・成功への7つのキー:利害関係者がコミットしているか、顧客のビジネス上の利益が出ているか、リスク軽減されているか、サービス提供者側の利益が出ているか、作業とスケジュールが予測可能か、プロジェクトのスコープ(範囲)が現実的か、プロジェクトチームが高いパフォーマンスを出しているか?
・システムが遅れても顧客がHappyになれば成功だし、システムが計画通りでもUnhappyだったら失敗。
・「プロジェクトへの協力姿勢」と「社内への影響度」で2軸のマトリックスを書き、人物を配置してマッピングすると、誰をキーにしてプロジェクトを動かすべきかが分かりやすくなる。一度描いてみるべし。

【ウフルオフィス訪問】
・「IoTを、日本のすみずみに」がコーポレートメッセージ。社名の「ウフル」とはスワヒリ語で「自由」の意味で2006年に創業した。「世の中を自由にしたいんだ」という思いもある。
・事業内容はクラウドシステムの販売開発導入、ソーシャルリスニングマーケティング、Webクリエイティブ制作、IoTプラットフォーム開発、データアナリティクスAI開発、IoTコンサルティング、コミュニティの運営。創業当初はデータインテグレーション系のビジネスが多かったが、最近はIoT系に力を入れている。
IoTでは1社でサービス提供が完結することはない。パートナーコミュニティを通じた提案を行う。最初から最後まで一気通貫でデザインしている。
・早く着手する意思決定(Decide)、協業(Collaboration)、イノベーション(Innovation)、夢のあるおもてなし(Dream)、競争力ある共通基盤(Ecosystem)のコンセプトがウフルの「DeCIDE
IoTの普及率を見ると、2015年から2016年にかけて0.5%しか市場が伸びていない。
IoTによる課題解決のステップはデータ収集可視化分析自動化最適化
・データを分析して事業に繋げられるのは3%くらいしかない。
・構造はData→Information→Knowledge→Wisdomの階層構造。データソース単体で調べても有意な解析は得られない。統合していけばDataの交点にInformationが生まれる。それらが組み合わさってKnowledgeに昇華する。ただ、さらに上には心が燃えないとWisdomにならない。データを見て何かアクションを起こさなくてはならないと思わせるものがInformotionInformation+Motion) お客様との繋がりを正しい方向に持って行くデジタルマーケティングだいじ。
・新しいことにチャレンジし続け、共に創造・成長することを心から楽しみ、周囲もワクワクさせながら成果を出す集団を目指す。
・ステークホルダーリレーションシップ(SR)従業員が大切なステークホルダーという認識。
・オフィスも広いフリーアドレスで、随所にミーティングスペースあり。デザインがFuture&Natureをコンセプトにしている。
・ウフルのコンサルティングの考え方。顧客が行動を起こす
情報格差<妄想格差:専門知識の格差は埋まった。発想力が大切。
問題解決<問題提起:すでに明らかな問題に解を出すよりも、解くべき問題を発見して提起する。
人数<発想:コンサルの人数ではなくて発想で稼ぐ。
IoTの変革素地の4要素(組織・キーパーソン・データ・事業のユニークさ)この中ではキーパーソンが最も大切に考えている。Leave “IoT” to meがコンサル部門のメッセージ
・物ことのインターネットから人まで繋いできちんと繋いで行くことが大切。繋がっていないことこそに課題がある。
・デジタイズ(コンテンツのデジタル化)は90年代に流行したが、今はデジタライズ(ビジネス全てがデジタル化)が進んでいる。物理的なアセット(資産)だけでは価値を生み出せない状況になっている。
・アナログにどんどん物理的に動く情報をクラウド上でデジタル化し、需要家と供給家の間での情報交換で価値を産みマネタイズにも成功している。
・デジタルツイン:リアルなものや設備などの環境や稼働状況をデジタル上で同一に実現する。デジタル化したものについて時間軸を止めたり遡ったりして深く調査することが可能。シミュレーションを行って結果をフィードバックすることが大変役に立っている。リアル世界からデジタル世界へのデジタルデータを取っている。
BMW7シリーズは1時間に1TBのデータを生成しているが、大概のデータは5%しか活用されずに捨て去られている。
・デジタルオーシャンにおいては業界の境目がなくなっている。個人の専門性の垣根も消えつつある。
MBSE:自動車全体をシステムとして捉え、3D-CADでシミュレーションが可能。電気自動車も2年程度で開発できるようになっている。シミュレータブル、
・ワンウェブは全3日の納期で人工衛星を作り上げてしまうような時代になった。
・ハードは買った瞬間の価値が最も高かった。今はもの+ソフトウェア+サービスで全てやるのでとても難しい。これからはエッジも活用する時代になる。
・モバイル・クラウド・ソーシャル・アナリティクスこれらの技術を取り込んでいない技術は古くなって行く宿命がある。
・高度成長期は「量の最大化」がビジネスだった。差別化要因は「機能・品質・コスト」だった。今後は「機会の最大化」のために必要な差別化要因は「マイクロ・速さ・共有」である。
「人生の目的は、知ることではなく、行動することである。」トーマス・ハクスリー

【今日の学び】
・コンサルで大事なことはestimateすること。いちいち調べて正しい数字を探して回るのではなく、当てずっぽうの数字を放り込んで計算してみることから始めて現実的な数字に近づけていくことが大事。guess+estimate=guestimate!

・資料やデータを引用するときはオリジナルの著者へのリスペクトを忘れない。MOTでは大事・・・

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