2017年3月6日月曜日

20160922

『大栗先生の超弦理論入門 九次元世界にあった究極の理論』(大栗博司:講談社)


理系少年のお友達ブルーバックスが創刊50年を迎え、初の「表紙のタイトルが縦書き」になった作品。
昔は「超ひも理論」と言ってたと思うのだが、今は超弦理論と呼ぶのが一般的だそうだ。
ガチの理論物理と数学を一般向けに分かりやすく解説した本。
解説本の中でも説明がかなり工夫されているが、いかんせん中盤以降は数学寄りになっていくのでハードルは高いなぁ。
理論の考え方が薄らぼんやり見えたくらい。
点のままではダメってことやね。まぁ、深追いはせんとこう(笑)

理論は「現実を再現できる」「つじつまが合ってる」という点が重要なわけだが、それらは他の理論の存在に対して排他的なわけではないんだよね。
あくまでも現実と論理をリファレンスにして世界中の理論屋さんが知恵を絞って進化していく様子はとても面白かった。
「この理論で合ってるよなー」「ここのとこ、計算できちゃったよ!」と皆で検証していく姿は自然科学の醍醐味かもしれない。
素粒子みたいな超ミクロな物理と、天文学のような超マクロな物理が合わさることで、人間が検知できるシグナル量のレンジに入ってきて情報が得られるってところにすごくロマンを感じる。

本の中に登場する日立製作所の外村さんは、生前に講演を聞いたことがあるが、大変謙虚で紳士的な方だったことを覚えてる。

「科学史上最も美しい実験」にも選ばれた電子の干渉実験を始め、電子線ホログラフィーに取り組まれた姿勢はいかにも科学者!って感じだったなー


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