2017年3月6日月曜日

20161003

今日は片岡先生のマクロ経済。


ニュースに出てくるマクロ指標をしっかり理解したいと思って選んだのたが、隔年で開講するレア講義だった。
しかも事前予想を遥かに超えた面白い先生だ。
明るく声が通って、話題が豊富(歴史方向に)

今日はマクロ経済の基本であるGDPとは何ぞやから、アブソープションアプローチまでを解説頂いた。
三面等価の原則の図解は分かりやすかった。

【早稲田と慶応】
大隈重信は政治家上がりで、口癖が「◯◯◯なのであ〜る!」と語尾を伸ばして調子の良いことをポンポンばらまく。
「なのであ〜るのであ〜るのであ〜る」と連呼することも(笑)
実学重視なので政治・経済・法律・文学が中心の時代に商学部を作った。
一方、福沢諭吉はアカデミックな学者で言葉の言い回しが慎重。
J.S.ミルの著書を翻訳して日本に広めた日本初の経済学者。
意地悪な言い方をすれば翻訳者で会ってオリジナリティはなかったとも言える。 ・・・先生はかなり早稲田よりらしい(笑)

【大隈重信と天野為之】
どマイナーな経済学者だが「消費を我慢して一部を投資に回せばさらに経済が良くなるから節制すべし」と唱えるJSミルに対して「客が来ないなら意味がない。パーっと行け、パーっと!」と節制で萎縮するのではなく需要喚起を訴えた。
これは不況期には公共投資を増やして需要を喚起しろと訴えたケインズよりもずっと早い説だった。
こんな素晴らしい経済学者がいたのだ、早稲田には。 ちなみに天野為之は高橋是清のお弟子さん。

【過去の歴史】
徳川家康は堅実な経済でアダムスミスやミルに近い。
豊臣秀吉は織田信長に続くお祭り男で、国土が小さくで米はなかったけれど日本中から商人が集まって経済が発展したので金はたくさん持っていた。
こちらはケインズ的。
暴れん坊将軍のモデルになった徳川吉宗は質素で真面目を貫いて、江戸をすっかり貧乏くさくしてしまった。
一方で吉宗の政敵である徳川宗春は倹約令に反抗して煌びやかな生活をした結果、愛知に人が集まり始めて経済が活性化した。
日本にはこのような歴史があり、ミルやケインズが主張するまでから経済の本質をつかんでいた。
冒頭は日本史の話が長かった。面白かったけど。

あとは片岡語録で紹介。
・同じマクロ経済でも学部と大学院では授業の中身が全く違う。テレビを見るのと、テレビを作るのぐらいの差がある。それくらい大学院のマクロ経済は、本当は難しい。
・学部の学生にマクロ経済を教えてると「失われた20年しか経験してないから景気変動の実感がありません!」と言われてショックだった。
・バブル期の大学生は就職したのに出社せず「やっぱり僕、フリーターになります」なんて言って就職を蹴る学生もいた。当時は、フリーターは特権だった。
・皆さんは早稲田の生協食堂の260円のカレーを食べたことがありますか?260円のカレーの味がするんです。思った通りの味です。
・イチローの年俸は日本のGNPに入るでしょうか?答えは入りません。マクロ経済では居住地で判別するので国籍は関係ないのです。宇多田ヒカルなら・・・今更行ってもな・・・
・公務員の公共サービスはGDPを計算する上では給料分のサービスを提供しているとして計算します。八王子の出張所には10人くらい勤務してますが皆暇そうです。これでも10人分のGDPには貢献しているのです。無駄飯食いどもが。
・(表の数字の不備を指摘されて)あれ?おかしいね?計算合わないね・・・中国の一人当たりGDPがこんなに高いはずないものな。笑ってごまかすしかない。怪しい。はっはっはー・・・次、進めまーす。
・借入金の利息返済はGDPには加えないが、外国からの利回りはカウントするのはなぜか・・・良い質問ですね。オタオタしましたよ。はっはっはー収拾ついてないですね。はっはっはー


笑って誤魔化すの時の笑いがここまで力強い人を初めて見た(笑)

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