2017年3月11日土曜日

20170311

『原子炉解体 廃炉への道』(石川迪夫 編著:講談社)

オリジナルは1993年出版で、動力試験炉という小型の実験炉を廃炉にしたプロセスを解説した技術書。
日本初の廃炉作業であり、当時の苦難が伺える。



運転を停止してから10年経過した試験炉だったが、1981年〜1986年の間は「解体技術の開発」に当てられることとなった。すぐに作業に移れるわけではないものなぁ。
計画を立て、計算で放射線量を見積もり、実際に解体作業をしてデータを取得し、さらに次の計画を立てるという目まぐるしくPDCAを回していく作業が続いていく。

作業員の健康被害を出さないという安全面の配慮もさることながら、経済的・効率的なプロセスを考え抜かれている。
「今後も廃炉は増えていく」という前提に立ち、「現実的な廃炉作業」でもありながら「将来、他の廃炉に役立てるための実験」でもあるプロジェクトを推進されたのは凄い。
  
廃炉をするのは人であり、技術。
地道にニーズのある技術を取り入れて、工程を管理して作業を進めねばならんのだなぁ、と実感した。


 

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