2019年1月20日日曜日

20190120:第42週 出版記念セミナー終了

18歳で上京してからずっと通い続けている新宿紀伊国屋さんで、自分が出版記念セミナーを開く日が来るとは。

お忙しい中会場に駆けつけてくださった皆様、運営にご協力頂いた合同フォレスト・紀伊国屋の皆様、対談をお引き受け頂いた大西みつるさんに深く感謝。

自分が講演するときのイントロダクションでは
  • 本編のテーマに(一応)関連している
  • 実務では役に立たないトリビアである
  • スライドを他で引用すると、漏れなくオタクの烙印を押される

という点を重視しているわけだが(笑)スライドはこちらから

対談相手の大西さんがリーダーシップなどの研修のプロということもあり、多様なお話をしてくださって、隣で話を進めながらもメモも沢山できて勉強になった。
イラストレーターの松村さんも急遽駆けつけて頂き、楽しい会になったなと。
  • リーダーは部下とコミュニケーションを取っているつもりでも、360度評価で聞くと両者のコミュニケーションは足りない傾向がある。
  • 常時コミュニケーション量を増やすのは難しい。そこでチームを作るときに「何のためにやるのか?誰のためにやるのか?何をやるのか?」を徹底的に議論することに時間を使う。この土台を作っておくのとおかないのとでは、後々のコミュニケーションの質が違ってくる。
  • 女神的リーダーシップという本が売れている。男性的な権威型でコミットを求めるリーダーシップから、支援・共感・協力を求めるリーダーシップへと世の中のニーズが変わりつつある。
  • どれだけ部下のやる気を引き出せるか?野球で言えば空振りをしたときに「何やってるんだ?ボールをよく見ろ」ではなくて「ナイススイング!」と言って前向きにできるか?
  • 人間は知らず知らずのうちに固定概念(limiting belief)に囚われている。これを打ち破ることがとても重要。思い切ってやめてみるというのは良いアプローチ。
  • 日本人は極力完成度を高めて出そうとするから遅くなる。5割で良い5割主義が必要な時代。さっさとたたき台を出して、それを皆でフィードバックして磨いていくのが良い。
  • 意味のイノベーションが求められている。これはデザインの技術ではなく目的を変えること。例えば自分は男性だけれどネイルをしている。野球のキャッチャーも金色のグロスネイルをしている。これはファッションではなく爪の保護のため。やってることはファッション用ネイルと同じだが、意味を変えることで市場が変わる。
  • チーム内でのつながりが重要。それが生産性に効いてくる。これを長屋の精神と呼んでいる。そのためには自分たちの目的を徹底的に議論してお互いの共通言語・共通認識を作っておくことが大切。


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116日は東大で行われたセミナーに参加。


1.産学連携研究に対する社会からの受け止め:産学連携研究では何を目指し、発信すべきか?
(吉岡(小林)徹 東京大学大学院工学系研究科技術経営学専攻 特任助教)

  • 産学連携の強化が求められているが、そもそも産学連携できる力量・テーマを持っている研究者は数が限られている。現状の3倍にするには研究以外の時間の最大限の効率化が必要。
  • 産学連携の上では利益相反マネジメントが必要。利益誘導の疑いを向けられるなど、社会からの炎上が起こると産学連携が進まなくなる。
  • アンケート調査の結果、産学連携について一般的な認識を問うたときは透明性を担保して社会課題の解決や経済効果があれば評価される傾向が見られた。
  • 次に具体的な産学連携の具体的な事例を示した上で、研究体制(連携する相手方)や個別の評価要因について質問し、総合評価に対してどのように影響するかを分析した。結果、社会課題の解決につながる点は評価に対してプラスの影響が大きく、研究者・大学の私的な利益につながる点はマイナスの影響が見られた。


2.学術研究に対するクラウドファンディングへの社会からの受け止め
(網中 裕一 東京医科歯科大学 産学連携研究センター)

  • 基礎研究の資金源は公的資金が基本。新たな研究費調達手段としてのクラウドファンディングに注目した。
  • アメリカも公的研究費が年々減少傾向にあり、民間・大学の独自プラットフォームを作っている。学術研究型クラウドファンディングExperiment2012年開始し、日本ではacademist2014年に運用がスタートした。またRady forCAMP FIREも大学と連携したクラウドファンディングを行なっている。
  • 研究費を獲得することに市民を早期に巻き込む効果が期待される。ただ、利用件数 十件くらいで伸び悩んでいる。学術的な知見が蓄積されていない。
  • クラウドファンディングの論文は増加傾向で、2009年には5-6件だったところが2018年には30件くらい。企業やアーティストが実施しているクラウドファンディングの知見を学術研究型に直接当てはめることは望ましくないだろう。企業の場合は上市間際だが、学術研究の場合は支援者の位置付け。支援者はその後のユーザーになるからイノベーションが起きる。学術の場合、支援者のフィードバックは研究には生きない。専門性が高い。
  • 先行研究で企業の実施ではリワードが支援動機になっていた。ステッカーを提供するか、ガジェットを提供するかでは質が異なる。
  • Experimentで資金調達に成功した682件を対象に、リワードが調達規模(支援者数・1人あたり支援額)に与える影響を分析した。結果、リワードは物的/経験的なものも、金銭的なものも支援者数を増やす傾向が見られた。一方で物的/経験的リワードは一人当たりの支援額を減少させていた。支援者数は増加するので、全体の調達額にはポジティブに働いた。
  • 支援者やクラウドファンディング事業者へのインタビューの結果、成果の出しやすさや国益よりも、テーマや研究者へどれだけ共感できるかが重視されていることがわかった。



議論
  • 大学での研究資金源として奨学寄付金がある。ここにも利益相反の話が出てくる。大学の寄付講座自体が嫌われるようになっている。そうはいっても実態は寄付の大口は企業。個人では額が知れている。私立大学OB会の力が強いところは寄付額が大きい。
  • 今の100万円以下の小口の産学連携では、期間も切られていてお金も細切れになっている。これは企業側として職位が上までいかなくても決済できるという都合もあるのだが、大学としては使い道が限られる。雇用の財源にはできない。


終わった後は網中さんと本郷3丁目の鮮魚屋で刺身を食べる。


軽く食事のつもりが、気がついたら2人でプレモルが13杯空いてた(笑)
出来上がったところで吉岡さんも合流して打ち上げ。
ここの魚料理はどれも美味い。刺身半額券があるのでまた行きたい。

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117日は癒し系ロボットLOVOTの体験会に参加。














  • 基本的には抱いてかまって愛でるペットロボットみたいな立ち位置。自分に最も優しくしてくれる人のところを優先して選ぶ機能も搭載。部屋で流れていたPVでは、お父さんがLOVOTを呼んでも奥さんと娘さんの方に行ってた(笑)
  • センサーとカメラを内蔵している。スマホからLOVOT視点で外出先から部屋の中の様子を見ることもできる。
  • メカ部分の発熱を制御することで、抱き上げて気持ちが良い38度程度の体温を維持している。
  • 抱き心地を意識した体型、グローバルに普遍的な可愛らしさを追求したデザインが採用されている。メカや技術部分のデータの展示もたくさん。
  • 要するにセンサーで集めた情報と過去の経験を元に「こうすれば可愛いだろ?かまいたくなるよな?」という叡智を結集させ、全力で可愛さを振り向けてくるロボットがLOVOTだと言えよう。


終わった後は清澄白河に移動してだるまでご飯。

昭和の街の居酒屋!って感じでアットホームな雰囲気。出てくるご飯がどれも安いのにめっちゃ美味い。個人的にはタコの唐揚げとイカフライが揚げたてで凄く美味しかった。これはすごい。

入ったときは満席で、臨時机を出したりする対応。昔ながらのアナログオペレーションなのに、待たされることもなくポンポンと料理が出てくるのは流石。

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