2017年4月28日金曜日

20170428

今日は英「エコノミスト」編集局長 ダニエル・フランクリンが語る2050年の技術セミナー
淺羽先生も冒頭ちょっぴり登壇したので今日のゼミはこちら。

30分講演・30分菅野さんとダニエルさんのディスカッション・30分会場でのQ&Aタイム。

ダニエルさんの講演の内容は書籍の「はじめに」に集約されているので、そちらを参照いただければ十分かなと。ちなみに書籍は各章の最後にまとめが載っているので、時間がないときはここだけ拾い読みするだけでもそれっぽく会話することは可能と思われる(笑)

以下はレポートというよりも個人的な感想文

【地域への適応】
興味深いと感じたのは、テクノロジーの現地対応。グローバルビジネスのIRフレームワークと同じことがテクノロジーにも当てはまりそうだなぁという点。
その国の文化・政治制度・規制といった非マーケット要因がテクノロジーの普及を阻害したり促進したりしている。銀行口座を持っている人が少ないケニアでモバイルマネーが普及した点などはなるほどなと感じた。

SFからのアナロジー】
未来予測にSF作家や作品を見ているというあたりも面白かった。
「未来を見ているようで実は現在を描いている」というのはそうなんだよね。
完全に夢のテクノロジーを盛りだくさんにすると、荒唐無稽な印象が強くなり過ぎてリアルっぽさが薄れてしまうので、遠い未来の話でも作成時点でのテクノロジーを使うもの。
90年代までのガンダムに登場するモニタは全部ブラウン管だし、マクロスに登場する電話は携帯型ではなくてロボットが固定電話を持って通話相手を追尾する(笑)
余談だが、SF作家の例としてウィリアム・ギブスンが取り上げられたのが無性に嬉しかった。

【人間の仕事は?】
経験には経路依存性があり、トライ&エラーの積み重ねで培ったノウハウは経験曲線に沿ってコストを押し下げて競合優位を築く。
AIを使った高精度予測が可能となった時代において、人の経験まで高精度に代替できるようになるものか? 企業は全部ネルフみたいになるのか(笑)
どの企業も同じようにAIを取り入れてデジタルマーケティングを最適化し、サプライチェーンを最適化して在庫ゼロでの即納オペレーションが可能になる日が来たら、企業は一体どこで差別化するんだろう?ブランド?
新しいテクノロジーが来て代替される仕事があっても、新たに生まれる仕事は必ずあるはずとは会場での議論もされていたこと。認知には必ず限界があるものだし、全体を把握する難しさは残りそうな印象。

これからは詳細なデータと高精度な予測が安価にできる時代が来ると思うけれど、経営者の意思決定の難しさは変わらないのではないかな?というのが直感。
トレードオフがなく最適解がある意思決定なら、AIに従って決定すれば済むはず。
でも、経営者の意思決定は限られた資源の投入先を選ぶ正解のない選択肢なのだから、高精度の予測とデータがあれば決定しやすくなると考えるのは幻想だと思うなぁ。


マッキンゼーの予測本と合わせて読むと面白い。オススメ!


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