2017年6月4日日曜日

20170604

『ガンプラはなぜ37年も売れ続けているのか?』(原作ゆきもり・作画ロドリゲス井之介:小学館)

バンダイの取材協力のもと、ガンプラが売れ続けている背景に迫ったインタビューまとめコミック。長寿ブランドの維持・活性化という観点で学ぶところがある。
章立てはガンダムの各話タイトルのパロディ。

第1話 営業チーム大地に立つ!!
お客様に売り場でワクワクしてもらうために、棚レイアウトや商品の並べ方、完成モデルの見せ方を工夫する。

第2話 再会、プロモーションチーム
ガンプラをどう売るか?という模型誌への広告やCMを手配するときに「○○だからこのガンプラが欲しい」と思わせるような理由を提供する。
例えば、百式とディジェがキリマンジャロの嵐の中で偵察している名シーンをビジュアルに使うことで「百式もディジェも買って並べて飾りたい」と思わせるように誘導する。

第3話 設計チームの脅威
アニメの機体を3次元の立体に起こす際、組みやすいように、組み立てが面白いように、作った時の合わせ目が目立たないように配慮しながらパーツを配置する。
ユーザーの声(アンケートハガキなど)をきちんと次回作にフィードバックし、ユーザーが楽しんで驚いてくれるように技術を磨く。ユーザーの声がなかったら今でもガンプラは真っ白だっただろう。
PGのガンダムは合わせ目を絶対に出さない設計をパソコンのCADではなくて2次元の設計図面で実現した!

第4話 灼熱の金型チーム
顕微鏡で見ながら1000分の1mm単位で金型にヤスリをかけて調整していく。今のガンプラが接着剤なしでピタッとはまって組み立てられるのはこの調整のおかげ。

第5話 迫撃!生産チーム
ガンプラの箱を開けた時のワクワク感を大事に、輸送中にパーツが壊れないように箱詰めにも気を配っている。パッケージの中央が凹みやすいので、パーツの破損を避けるように原紙の箱も入れている。

第6話 静岡生産センターの島
「バンダイはお客様と一緒に育ってますから」「バンダイなら出来るよねというお客様の期待の表れ」と思ってお客様の声を丹念に聞き、今は不可能でも技術的な要素が揃ったら反映させるといった工夫を重ねる。

第7話 復活の企画チーム
1年くらい前からガンプラの企画は検討されている。ガンプラファンの中でもターゲティングしながら企画を打ち出す。「1つの商品を社長になったつもりで作れ」と言われている。

第8話 翔べ!海外チーム
香港がアジアの拠点。海外対応に際し、ガンプラの組立説明書などは極力言葉ではなくて図と絵でわかるようにしている。
また、パッケージはあえて日本語表記のままとしたり、プロモーションムービーも日本語のままで字幕をつけたりなどメイド・イン・ジャパンを訴求する形にしている。
日本ではガンプラファンは20代と40代にピークがあるが、香港では20代中盤に大きな山が来る。ガンダムEXPOなどのイベント動員数は香港の方が日本よりも多いくらい。

多くの社員が「ネオジオング(完成すると高さ80cm)が実現したのだから、これだってできる」という技術ベンチマークを持ってるのが面白かった(笑)





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