2017年6月21日水曜日

20170621

今日は組織学会定例会で延岡先生の「統合的な価値づくり -デザインエンジニアリングとアート思考-」を聞いてきた。

今月公開されたものづくり白書2017にも延岡先生のSEDAモデルが掲載されているので、要チェック。(第1章第3節のコラムに登場)



講演の冒頭で「今日のプレゼンを聞いて、会場で5人くらいはマツダの車が欲しいと思ってもらえれば。3~4人くらいはカープファンになってもらいたい」
マツダの映像は昨年工場見学に行った時に見たけど、何度見てもウルっとするなぁ。ちなみに広島カープの赤ヘルもマツダの「ソウルレッド」なのだそうな。

<講義まとめ>
  • 機能的価値はカタログのスペック数値を見れば分かる価値のこと。
  • 意味的価値は顧客が使用した体験から生まれる経験価値で数字やスペックで表せない。
  • 「意味的価値だけが大事!」というのは誤解。両方は不可分であり、両方大事。機能を果たしていなければ経験も何もない。
  • シャープの4原色ディスプレイとか、多くの会社が手がけた3次元ディスプレイは今どうなった?凄いことができる機能を有することと、消費者が凄い体験をするのとは全く別物。
  • アップルは技術を軽視するどころか、とても重要視して莫大な投資を行なって技術力を社内に有している。その技術力を持って機能だけに偏らず総合的な価値を目指しているところに強さがある。
  • デザイン価値は「見てかっこいい」「使って楽しい」「持ってるだけで嬉しくなる」などを感じること。デザイン+エンジニアリング。ダイソンなどにはこの両方を学んだエンジニアが多数働いている。
  • 自動車はもともと移動手段という機能だけでなく、デザイン価値も兼ね備えた製品として発展してきた。両方の融合が大事とトップが腹で理解していることは優位性がある。
  • これからは、顧客ニーズに合致するデザインを実現するだけでなく、アート思考を持って自社の信念を製品にする意識も大切になってくる。マツダの取り組みを見ると、魂動デザインにはそれが現れている。
  • クラフトマンシップ+マスプロダクションの考え方で、伝統製品に宿る匠の技を工業製品で実現するような取り組みが必要とされているのではないか?それはむしろもともと日本企業が得意だったはずの分野。そこをやってるのがアップル。
  • デザイン・エンジニアリング・ビジネスの全てができるSEDA人材を育てていく必要がある。小さなビジネスからでも経験を積ませていくことが重要。遡れば運慶・快慶もSEDA人材と言える。3,000ものパーツからなる仏像という芸術品を69日間13人で完成させるというプロジェクトマネジメントまでこなしているのだから!


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