2017年7月10日月曜日

20170710

今日は日揮 三好常務執行役員による「日揮のグローバルビジネス」講演@淺羽先生のグローバル経営研究会

日揮の「饒舌なサムライであれ」がグローバル人材戦略のメッセージ。寡黙では世界に通じない。


<プラント事業エピソード>
  • リファイナリー(製油所)@ベトナム:20万バレル規模。ベトナムではあまり資源がなく、ガソリンなどを輸入して来たが、精油施設を建築した。まだ需要はあるのでプラントは増やしていく予定。
  • エチレン製造設備@米国:19年ぶりの赤字の原因のプロジェクト。設計調達が日揮・建設が米国のJVで行ったが、コントロールが効かなかった・・・大雨で冠水してしまって大変だった。アメリカ人作業員の時間単価はとんでもない。1時間1万円くらい掛かる。カナダやオーストラリアはさらに高い。
  • NGL製造設備@ナイジェリア:非常に難しい国。現地のコミュニティとうまくいかなかったとき、作業員が3人誘拐されて穴掘って埋められてしまった。その後は無事に生きて帰って来たが。そこで、貢物を持って地元のキングに挨拶に行った。(地元のキングは英国の大学を卒業して、とても綺麗な英語を喋るビジネスパーソンだが、地元の民族衣装を来ている)地元作業員との関係を良好に保つように工夫したが、それでもロックインが発生し、プラントの脇に櫓を立てて太鼓を一晩中ガンガンやられたこともある。和解した後にプラントで「棺桶を持ってる奴がウロウロしている」という報告が入って調べたところ、その地域では棺桶を持って歩き回ることで諍いごとが静まったことを大地に知らせることにしていたらしい。ローカルの風習
  • LNG製造設備@ロシア ヤマール半島:冬はマイナス60度になる地域で、ここでガスが取れる。これをLNGにする。3社のJVでもっともチャレンジングな仕事。極寒の地であり血液も凍るため、作業員が屋外で仕事ができる時間は30分しかない。そこで、モジュール工法として、1つ5000トンのモジュールを持って行って現場で組み合わせる。現場での工事量を極力減らす工夫をしている。2mの氷なら砕ける砕氷型LNG運搬船も建造した。
  • カタールでは52,000人集まって日本人は0.2%のマイノリティ。比率的には多くて1%程度の割合にとどまる。日本人は人件費が高い。プラント建設中は45,000人が住む建設現場村ができる。カタールではお酒が飲めないので、作業員のやる気が出るだけの食事を提供するように工夫している。



<日揮の戦略&マネジメント>
  • Program Management Contractor & Investment Partnerを掲げ、プラント事業に加えて投資そのものにも参画したいと考えている。
  • ポートフォリオとしては、ハイドロカーボン/非ハイドロカーボンの軸とプラント/投資事業の軸を設けている。非ハイドロは今の所規模が大きくない。
  • リスクを知らない我が社が取り組んで、今はなんとかうまく行った。
  • ノウハウはないんだけど、言われるとやっちゃう。
  • プロジェクトマネジメント・リスクマネジメントでなんども失敗したけれど、その度に体系化して誰がやっても仕事ができるような仕組みを取り入れて行った。社員の手によって改善が続くようにした。
  • 原油価格が減ってプラント商談が激減した時、どうやったら生き延びられるか、毎日毎日考え抜いた。
  • 自社の技術にはこだわらない。世界中の誰の技術でも良いから持って来て、お客様のために活用するのがエンジニアリング。
  • 独立系で誰も支えてくれない。社員はたくましい。社長がなんと言おうとお客様との関係を重要視する。入社3年目くらいの若手社員もビビったりしない。
  • 絶対に同じ失敗を2度としないが、その一方で保守的になってはいけない。
  • 海外PJが増えたとき、日本で培った延長線上に解はない。そこで考えてはいけない。別のやり方を考えなくてはいけなかった。欧米の同業者はとても参考になった。
  • マイノリティの日本人がどうやってうまくマネジメントするか。日本人にはアドバンテージがある。出し方次第。内心には強いものを持っていても良いが、能ある鷹のごとく相手に目線を合わせてコミュニケーションをとる。そこが皆上手。口答えしないで素直・皆と一緒が安心 は日本以外にバリューを置く人はいない。日本人であることは忘れざるを得ない。
  • 日本人はお客様を煩わせるのは良くないと思っていたが、イタリア人は逐一問題が起きたら相談に行っていた。顧客と一緒に最適解を探ることで、決めるプロセスに主体的に参画したことが顧客満足度に高まった。



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