今日は入山先生担当の経営学研究法(MBA編)
根来先生は授業参観
理論:概念Xが概念Yに何らかの因果関係を与える
- 因果関係について「何でそうなるのか?」を徹底的に詰めていくと、「人間はそもそもこう考えるでしょ?」という根源に行き着く。検証しようのないテーマまで辿り着いたところで、過去にある理論を使うのが王道。
- 自分の研究にマッチした理論が無いと思っているのは、文献サーベイが足りないだけで、理論は必ずある。自分の命題にフィットする理論を探していく。
- 科学は抽象化。本質を見極めたいが、そのままでは分からないから実証分析でチェックする。このせめぎ合いが科学。
【実証分析】
- 実証分析は「習う」より「慣れろ」だ。「やる」と「やらない」では大違い。経験値があるだけでぜんぜん違う。仕事と同じで、とにかく1度実際やって経験を積むと大きな学習がある。これを11月に初めてやるとパニックになる。今から危機感を持って取り組むべし!
- 自分が期待した通りの結果が出なかったからといって落ち込む必要はない。だいたい期待通りにならないのが普通。その都度理論を見直さなくてはならないが、決して意図した結果を作りあげてしまわないように。理論とデータの間をいったりきたりするのは当たり前。
- 「予想した結果が出てないこと」こそが面白い結果。海外で実績があるのに日本ではならなかったというのは面白い点。実は海外とは異なるモデレーティング効果が当てはまっているのでは?など、期待に沿わない結果が出ることは良いことと思った方が良い。
【研究の分類】
1)統計分析 アーカイヴァル・データ
- アンケート分析以外のもので、存在するデータを収集して組み合わせて行う。1つのデータセットで完結することはありえない。組み合わせるのが普通。
- データ整備:ここにめっちゃ時間がかかる。舐めない方が良い。
- 記述統計:平均とったりヒストグラム作ったりクロス統計作ったりしてみる。アカデミックでも本当に良い論文はこれでも論文になる。
- 仮説検証分析は回帰分析を用いる。
2)統計分析 アンケートデータ
- アンケートを新たにとってデータを作って分析する手法。
- 自分で質問票を送ってデータを入手するが、そんなに甘い話ではない。送って待たなくてはならないし、結果が返ってきてもぜんぜん答えてくれてないということもザラ。
- 一発勝負にするとほぼ破綻する。1回目でアンケート設計がうまくいくことはないので、パイロットフェーズは必ず必要。作って・送って・待つに時間がかかるので、早めに着手推奨。
- よくある問題は「質問が多すぎる」こと。回答者が嫌にならないレベルで、聞きたいことを全部きくように設計しなくてはならない。
3)インタビュー調査
- インタビューで生の声をしっかり聞く。アカデミックな要素は薄いが、現場の声をしっかり拾えていると読んでいてめちゃめちゃ面白い。
- インタビューノートを作るべし。毎回作ることが死ぬほど重要。インタビューが終わった直後に1時間カフェに入って、ワードに3枚とかでも良いから、記憶が鮮明なうちにすぐに書く。
4)文献調査
- 仮説を立て、文献を入手して事例を抽出して分析・考察する。
- 海外の主要な経営学術誌で文献調査だけで掲載される論文はない。
- 文献は誰かがやっていること。その人のフィルターを通して研究したこと。それを自分のフィルターを通して解釈しようとするから、信頼性が低いと見られる。
研究はこの中から2つの方法をやるのを推奨する。
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