2017年7月29日土曜日

20170729

『原因と結果の経済学 データから真実を見抜く思考法』(中室牧子・津川友介:ダイヤモンド社)

経営学研究法(MBA編)の講義の中で紹介されていた参考図書。

「因果関係と相関関係は違うよ」というテーマで、統計データを解釈するための入門書と言っても良い感じ。
論理の考え方もあるので論文のお作法を学ぶ最初の一歩に良いかも。


  • メタボ健診を受ける → 長生きする
  • テレビを見せる → 学力が下がる
  • 偏差値の高い大学に行く → 収入が上がる

これらは因果関係があるかのようにメディアで語られることもあるが、ただの相関関係に過ぎない。

<因果推論のチェックポイント>
  1. 「まったくの偶然」ではないか:ニコラス・ケイジの年間映画出演本数とプールの溺死者数も強い見せかけの相関がある。概念をつなぐ「なぜ?」を考えれば見つけられるはず。
  2. 「第3の変数」は存在していないか:原因と結果の両方に影響を与える要素があると変な因果関係を錯覚してしまう。
  3. 「逆の因果関係」は存在していないか:地域の警察官の数と犯罪者数など、原因と結果の矢印の向きがあってるかをみるべし。


販促キャンペーンの効果を測定したい時、ある店舗のキャンペーン前後の売り上げを比較しても分からない。
「キャンペーンをしなかったらどうだったか(反事実)」を何とかして持ってくる必要がある。現実にはタイムマシンもなく、パラレルワールドへも行き来できないので(笑)反事実を別のもので近似して値を当てはめて比較する。
本書では反事実のデータをどう持ってくるか、どのような着眼点でデータを見れば見つかるかと言った点を解説している。

「反事実を考える」というのは、ロジカルにMECEに考えることでもある。参考になる着眼点は多い感じでオススメ。




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