2017年8月3日木曜日

20170803

『入社10年分のリーダー学が3時間で学べる』(杉浦正和:日経BP

杉浦先生の本や講義は、全体構造がとても整合的に組み上げられている。目次の見開きでエッセンスとキーワードと構造を伝えきっているのが凄い。
言葉も大切にし、キーワードは語源まで遡って解説されているので、ニュアンスも含めて意味が伝わりやすい構成になっている。

<リーダーの基礎知識>
  • 基本理論を学ぶ:リーダーシップと組織のパフォーマンスとの関係に関わる研究の歴史と内容をレビュー
  • 「ひと」を知る:人間の内面に着目し、根源的な考え方の把握
  • 「組織」を理解する:組織の働きや分類、特徴の把握


<リーダーシップの発揮>
  • 方向を揃える:進むべき道・辿り着くべき場所を示す
  • 本気を出させる:メンバー全員が関与し、意欲的に取り組むように促す
  • 本意を伝える:本音を引き出し、議論の結果を次のステップの糧とする


<リーダーシップの展開>
  • 人材を育成する:成長の基本的メカニズム
  • 能力を開発する:メンバーの能力を引き出すステップ
  • キャリアを開発する:自分の人生を切り開く考え方



3時間で読めると言えば読める分量なのだが、読むごとに「あの時、もっとこうやってればなぁ」「そうすべきだとは思ってたんだけど、うまくできなかったなぁ」とか色々と思い出してしまう(笑)

個人的にはMannerismの解説が面白かった。
マンネリズムと読むと「型にはまって変わりばえしない」というネガティブな意味合い。
一方で、イタリア語風にマニエリスムと読むと「16世紀にイタリアを中心として一世を風靡した技巧を凝らした芸術様式」というポジティブな意味合いになるというもの。
「活性化せずに同じことを惰性でやってることをマンネリと捉える」こと自体がマンネリな解釈だと断じているあたりは面白い(笑)

この辺りは遠藤先生の現場力でも指摘されているね。
標準の通りに計画されたことをしっかり実行する「保つ力」は、現場の業務遂行の最低限の能力であり、これが毀損していてば現場は弱まっていく。しかし、改善につながる仕組みが入っておらず、標準を保つことだけを継続していると、中長期的にはやはり現場は弱まってしまう。
総じて、WBSの人材組織の復習になると同時に、リーダーとはなんぞやを改めて考えさせてくれた本。
30代の早いうちに読んでおきたかった(笑)




0 件のコメント:

コメントを投稿