月曜は内田先生の「経営者の意思決定」
「八甲田山 死の彷徨」の小説をケースとして、行軍続行組と行軍中止組に別れてディベートした意思決定の議論。ネタバレはなし。
【リスクマネジメント】
- 事前にできるリスクマネジメントと、起こってから対応するリスクマネジメントがある。前者は頭の良い人ならしっかり準備できる。後者は肝の力を試されるし、痛い目にあって自分で成長すべき。
- 後講釈であーだこーだいうのは簡単。瞬時の判断を迫られるのが経営者の難しさ。それでいて責任は自分で負わなくてはならない。
【経営者の意思決定】
- 最初に複数の選択肢を考え出すこと。日本企業の弱点は経営会議に上がってくる案が1つしかない。ベストシナリオとか中央値のシナリオしかこない。本来は幅で複数示すことが大事。その選択肢の中から大事なものを選ぶべき。模範的意思決定論
- 人間は必ずしも数字で動くわけではない(応用編)基本は基本で抑えた上で、応用を行う。
- ホリプロタレントキャラバン:中国でやったら項目ごとで採点になるが、日本でやったら担当者の感性で判断される。基準が違うことを認識することが大事。
- 選択の科学:品揃えがたくさんあると満足するが、多すぎると選べなくて困る。3つくらいの選択肢があるのが最も良い。ジャパネットタカタは選択肢を示さないことで成功した。
- ヒューリスティックス:人は自分の経験で選ぶ。
- リスク:大きく儲かる話が好きな人がいれば、リスクに過敏になる人もいる。相手が持っているリスク選好度を認識していないといけない。
- 全ての意思決定ツールが使えるわけではない。選択肢を知っておくべきであろう。
- 決めてから悩む人:これは絶対辞めるべき。組織に悪い影響を与える。決めない方が被害が少ない。弱気な悩みは伝播する。上にとってはちょっとしたブレであっても、下にとっては非常に大きなブレになってしまう。決めてから「これで良かったか?」と悩んでいてはダメ。
- 人を解雇するという辛い経験をした。自分がよく知ってる人の首を切る方が簡単だが、知らない人は切れないという直観に反する印象だった。知ってる人ならその後の生活を想像できるけど、知らない人は想像できない。自分はこれを経営者時代に学んだ。辛い意思決定をすると学ぶことも多い。逃げずに意思決定していって欲しい。
- 3.11の時、某損保会社が幹部級の社員を現地に送り込んだ。役に立ったのは人事考課で低い人の方で、評価の高い人は役に立たなかった。本社の意向を汲んで動く人と、自分の判断で勝手に動く人の違いだったのだろう。現地ではルールを破って動く人が必要だった。ポートフォリオでそういうリーダーを置いておかなくてはならん。平時のリーダーシップと緊急時のリーダーシップは異なる。
- 人は合理的な意思決定をするとは限らない。「名誉ある撤退」などのオプションを提案できるようになると、アクセプトされやすくなる。引っかかっている部分を解消してあげないと意思決定されない。
- ドタ勘で決めるのはだめ。でもロジックだけでも人は動かない。先に思いついたことにロジックを当てはめて行くのが私のスタイル。最後は人を巻き込む力なので、「この人の言うことなら仕方ない」と思わせる力。それは人それぞれ。
- 瞬間で判断するときもあれば、1000億円の投資などじっくり考えなくてはならないときもある。ただ、不祥事の時の対処だけは瞬間で判断すべし。
【内田語録】
- ビジネススクールは意見を変えない。私から見たらバカなんだけど。MBAで勉強してるから他の人より正しい決定ができるはずだと思ってますが、それは錯覚です。
- 謙虚ってどんな字だっけ?謙虚が書けなくなるとよくない。
- しかし、相変わらず字が汚いね。みんなも良く耐えてますね。
- ここまで第3チーム?戦線が延びきってるね。
- 私は平和主義者なので、新宿西口で機動隊に石を投げていた。ベトナム戦争反対活動。石は投げるけど平和主義者。前で投げると機動隊に捕まるから、後ろから山なりに投げていた。小心者平和主義者。
- 第2次世界大戦までは撃墜王というのがいた。戦いに強い名パイロットだと思っていたが、強い奴を避けて弱い奴を倒すのが撃墜王になった。強い奴と戦うと一定の確率で撃墜されてしまう。
- 自分は楽観主義。自分が過去に下した意思決定は全て正しかったと思っている。自費でKBSに通ったのは自分のキャリアの別れ道だった。転職の情報もない時代にどうやってキャリアを変えて良いか分からなかった。奥さんが2人目を妊娠中の時に意思決定をした。意思決定は間違ってなかったと思っているが、今でもチクチク言われる。
- 私には人を見る目がない。私から褒められた時は気をつけた方が良い。
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