マイケル・ウエイド教授 出版記念公開講演会
『デジタル化の渦(VORTEX)への対応: 対 デジタルディスラプター戦略』
【マイケル・ウェイド教授の講演】
<クイズ:コードの行数が最も多いのはどれ?>
- フォードのトラック
- 火星探査機ローバー
- ハドロン加速器 CERN
- 小説:戦争と平和
- 心臓ペースメーカー
- Android
- ボーイング787
実はピックアップトラックのコードが150Million。自動車業界は大きな変化にある。自動車メーカーは機械のエンジニアよりもコンピュータプログラマーを採用している。自動車メーカーに勤めているなら、このトレンドを追わなくてはならない。
フェラーリはこの動きに対してどう対応するのか?自動運転や電気モーターで爆音がしないフェラーリを作るのか?という問題があった。
彼らは伝統で行くか、デジタルな未来に行くのか?1つの道を決めた。自動運転機能を持ち、モーターで走り、車全体を電気ガジェットで埋めることを戦略的に決定した。“クラシック”な車作りが時代遅れになって、「フェラーリとは、おじいちゃんが運転する車」と思われるのが嫌だったということ。
<デジタル・ボルテックス>
- ボルテックスとは渦巻き・竜巻などぐるぐる回っているもの。
- 渦の内側にあって影響を受ける分野がメディア・IT・小売・金融・通信、その次に消費財・教育・プロフェッショナルサービス・ホスピタリティ・製造、外周に輸送物流・不動産・ヘルスケア制約・エネルギー公益事業がくる。
- 新しい技術・ビジネスモデル・規制によって渦の内側に引っ張り込まれることもある。
- Amazonなどディスラプターを見ると、いろんなところにいる。Amazonは業界の定義には関心がない。「あなたのマージンは私の参入機会」彼はよその会社が利益を上げているところに参入してきた。あなたの会社は利益を上げていますか?マージンがあればそこにやってきます。ターミネーターみたいになった。
<デジタル・ディスラプター>
- デジタルはどれだけ重要か?つながることによって影響力が高まることが重要と考えている。技術そのものは変わる。数年後にも変わっているだろう。今まさに大事だと思われている技術(ビッグデータ・クラウド・モバイル・IoT・ブロックチェーンなど)が持つディスラプティブな力の方が面白い。自社の現在価値提案へのデジタルテクノロジー・デジタルビジネスモデルの影響を考察する。
- ディスラプションはそこら中にある。時価総額上位5社はテック系で5年ごとに入れ替わっている。2021年には1~2社は入っているかもしれないが、新しい顔が出ているはず。
- スイスでファイナンシャルアドバイザーむけにした講和で「皆さんの業界でデジタルディスラプションに恐れを抱いていますか?」と聞いた。何人が怖いと答えたと思いますか?答えは「ゼロ%」誰も怖いと答えなかった。資産運用でのディスラプターの例を見せたが、ファイナンシャルアドバイザーたちは怖くないと思っていた。なぜ彼らは心配しないのか?
- 受講者は「あなたは私たちの仕事を知らないのですね」と指摘して説明してくれた。「ファイナンシャルアドバイザーの業務は人間関係のビジネスです。引退した後の退職金を投資するのであれば、テーブルの向かいの人の目をしっかり見て判断して、初めて信頼して投資ができる。だからディスラプターは怖くない」と。彼は正しいでしょうか?その時は正しかったのかもしれない。今まではそうだったのだから。彼らのクライアントはそのような対応を求めていたのかもしれない。しかし、それはこれからも続くだろうか?おそらく続かないでしょう。だって、若い人たちは銀行員と一緒の時間を過ごしたいと思ってないんだから。ディスラプションは起こっている。
<デジタルへの対応:トランスフォーメーション>
- デジタル化自体は目的ではない。デジタルテクノロジーやデジタルビジネスモデルを使うことによる業績改善のための組織変革がトランスフォーメーション。デジタルビジネス変革とデジタル化は同じとは言えない。大事なことはパフォーマンスを上げること。
- デジタル化しようとして、たくさんのお金を使ってデジタル化できた会社はある。それによってベンダーやコンサルタントは儲かった。しかし、デジタル化はできても業績は上がらなかった。
- 業績の改善を行う際に組織変革を実行することは極めて難しい。日本の大きな会社のエグゼクティブと円卓会議をしたが、そこでテクノロジーに関する質問はなかった。質問のメインは文化の問題だった。「社内の文化をどう変えたら良いか?」「デジタル人材を惹きつけ、今の人材をどう再教育するか?」「もっとデジタルなやり方をするために、どのようにインセンティブを設計するか?」それらは良い質問だ。けれど、答えは簡単ではない。多くのデジタル変革が失敗する。デジタル変革は失敗例の方が多い。
- 過去2年半の間にデジタル化への態度が大きく変わった。2年半前のデジタル化とは、牛がたくさんいる牧場の中に外から犬が入ってきたような状態だった。牛が何やってるんだろ?と牧場に入ってきた犬を皆で眺めているような感じ。しかし、今は違う。牧場に犬が入ってきて吠え始めて、驚いた牛が逃げ回って走り始めているような状態。活動が多いのだがやりすぎている。牛が牧場の中を走り回ったところで何も価値は生み出さない。活発な活動と進歩の混乱が起こっている。
<ギャップ>
- テクノロジーはとても早く、加速して変革している。しかし、組織はそんなに変化はしていない。組織変革のスピードは遅いまま。
- 技術の進歩のスピードと組織変化のスピードの違いがギャップを生む。そのギャップに機会と脅威がある。そのスペースに入ってくるのは誰だろうか?このような戦いは様々な業界で行われている。
- 自動運転車で考えると、どこのメーカーも自動運転プログラムを持ってる。自動車メーカーだけではなくて、グーグル、nVidia、ウーバーなども持っている。この戦いは様々繰り広げられており、1つの業界だけを対象にしたわけではない。自動運転車は自動車業界に影響を与えるが、他の業界にも影響を受ける。配送・
- ドライバー・保険業界(自動車の事故で人間のミスによる割合は90%。運転する人が減れば事故も減るはず)・旅行業界(運転を気にしなければ、長距離運転で行くこともある)・電車や飛行機業界・地図・不動産(車で2時間の距離の物件でも、車に乗っている間に何かができれば、住む人が出て来るかもしれない) ・ファイナンス(自家用車を持つ必要がないかもしれない。車のオーナーシップは2番目に大きな出費。それがなくなる)などが考えられる。自動運転車のインパクトを考えるだけでもいろんな業界への波及効果が考えられる。ただ、多くの会社は発想の演習をしないので、不意打を食らう。でも本当は予測できたはず。
<日本と世界のエグゼクティブとの比較>
Q1:デジタルディスラプションは重要か?
全サンプル
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日本
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ほとんどない
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1.5%
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0.1%
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わずか
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15.0%
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17.2%
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中程度
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35.5%
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51.7%
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大きい
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34.4%
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24.1%
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極めて大きい
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13.6%
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6.9%
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Q2::デジタルディスラプションは取締役会の議題レベルと言えるか?
全サンプル
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日本
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はい
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64.0%
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34.5%
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いいえ
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24.3%
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62.1%
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わからない
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11.6%
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3.4%
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Q3::デジタルディスラプションにどのように対応しているか?
全サンプル
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日本
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脅威として認識していない。適切に対応していない
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42.6%
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51.7%
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フォロワーアプローチ
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31.2%
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31.0%
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積極的な対応
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26.2%
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17.2%
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9ヶ月前のデータだが、日本の経営クラスではデジタルディスラプションが理解されていないのでは?と心配になった。
<ダイナミクス:3つのバリュー>
- なぜアマゾンを使うのか?プライムメンバーは2.5倍の買い物をしている。購買が簡単で他と比較しなくて良いくらいに安い。
- 100社くらいのディスラプターを研究して、彼らの成功の秘密を研究した。
- デジタル・ディスラプターがもたらすカスタマーバリューには3種類がある。デジタル化によってこのような価値をもたらしたということ。
- コストバリュー:デジタル化によって、より安い値段(時にはタダ)で提供できること
- エクスペリエンスバリュー:デジタル化によって経験を提供できるようになること
- プラットフォームバリュー:デジタル化によって、ネットワーク効果で価値をあげること。プラットフォームのサイズが源となる。
- 強いディスラプターはこの3つを組み合わせて提供している。利益を吸い上げていくディスラプターを「バリューバンパイア(利益を吸っている奴)」と呼ぶ。
- 「どのような形態のバリューを提供するか?」とは「どうやって戦うか?」という問題。コスト・経験・プラットフォームの選択肢があるが、どれか1つというケースが多いのではないか?
<4つの対応戦略(対抗策)>
- 収穫戦略(防衛):製品の効率性を高め、コストを極限まで下げてディスラプターをブロックする。規制を使って参入を防ぐこともある。ウーバーは世界中の多くの国で成功しているが、日本ではそうではない。なぜウーバーは日本であまり成功していないのか?ウーバーは3つのバリューを統合している。タクシーよりやすく、経験も良く、プラットフォームが大きくてそこら中にいる。世界中を旅をしているが、多くの国でタクシーは良くない。しかし、日本のタクシーは素晴らしい。運転手は丁寧でドアも開けてくれるし手袋もしている。そこら中にいてすぐ見つかる。ウーバーのような経験価値を提供する余地がない。
- 撤退戦略(防衛):ディスラプターが入ってこれないようなニッチに入っていく。もしくはまだ売れるうちに売却して業界から離れるなど。
- 破壊戦略(攻撃):自分たちがディスラプターになる。自分たちが持っているのを他に持って行って破壊する。Amazonは新しい産業に行って破壊するのが得意。リクルートも良い例。デジタル・ボルテックスの真ん中にいる会社。ケイパビリティにデジタルな力を加えて新しい事業領域に参画した。プラットフォーム戦略がメイン。ディスラプターは価格・経験・プラットフォームの点で既存と違うことをやって戦う。増えてはいるが、比較的珍しい。
- 拠点戦略(攻撃):ディスラプターは先行しているが、必ず勝つとも限らない。ディスラプターほどイノベーティブでないかもしれないけど、業界知識やブランド資本力を持っている可能性は高い。違うやり方や文化が重要になってくる。
- 収穫戦略はコスト・体験、撤退戦略はコスト△・体験、破壊戦略はどれかのバリューを選ぶが、拠点戦略では全部を活用する。
- 大事なのはディスラプションそのものであり、ディスラプターではない。会社が生き残るかどうかは重要ではないが、彼らが起こしたディスラプションは消えない。ディスラプションそのものから目をそらしてはいけない。消費者がコスト・体験・プラットフォームの価値を味わったら、もう手放さない。マージンをアマゾンが奪ったら、取り返すことはできない。
<中長期計画>
- 現状は「どこにいるか」、あるべき姿は「どこに行きたいか」、計画策定は「どうやって行くか?」3年計画や5年計画を持っている会社はどれくらいありますか?・・・基本的にそんな計画は機能しません。
- 戦略に対する新しい見方が出ている。戦略の実行にフォーカスしていれば、3年経ったらある場所に辿り着いているはず。それは数年前であれば成功と見られていた。
- しかし、たどり着いてから「ここに行きたいはずではなかった」ということに気づく。計画があることによって、本当に行きたい場所にいけない時代になっている。その問題への答えはアジリティ。
- 3年計画・5年計画は毎年調整していると言えるか?嘘だ。計画を変えてなんかない。どうやったら敏捷な組織になれるか?アジリティもバズワードだ。
<デジタルビジネス・アジリティ>
- ハイパーアウェアネス(察知力):敏感に環境を感じられるか?リアルタイムに深く起こっていることを察知し、これから起こる機会や脅威を起こる前にする。しかし、これだけでは十分ではない。匿名のフィードバックで意見を反映させる仕組みを取り入れると、ネガティブなニュースも共有できる。人のコミュニケーションをトラックできる機能が実現できるようになった。この中で「自社がサイロになっている」と言える人はいますか?なぜ自社がサイロになっているとわかりますか?サイロにならない方向に行っていると感じるからでしょう?IoTなどを使えばハイパーアウェアネスを得ることができる。ネスレ本社も近くにある。ネスレではデジタルアクセラレーションチーム(DAT)を作った。ネスレ社の世界中からスイスに集まる。そこではソーシャルネットワークで何が起こっているかを調べている。センシングするだけでなく、テクノロジーとかソーシャルメディアとは何かをシニアに対してリバースメンタリングをしている。
- 情報に基づく意思決定力:エビデンスベースの意思決定を行い、他者と協力し、他者に権限を与えること。
- クイズ:木村さんは控えめで几帳面で、秩序と構造を必要とする。内気・謙虚・協力的な性格。さて、木村さんは農家?図書館員?性格や特徴を考えると「図書館員」と回答する人が多い。しかし、人口データを考えれば、確率が高いのは農家だろう。圧倒的に多いのだから。人間は根底に流れるデータに基づく判断ではなかったのかもしれない。見えているものは過大評価し、見えない情報を過小評価する癖があるのが人間。自分たちの心理がゆえにデータに基づく意思決定ができていない。
- エッジにおけるインテリジェンス。シンプルなスタンダードな意思決定はエッジで起こる。人間による偏見を避けることができる。もっと難しいデータを送ることができる。リアルタイムで可視化するデジタルダッシュボードはとても有益。
- 迅速な実行力:早く動くこと。スピードと完璧さの間にはトレードオフがある。時にはスピードを優先すべきタイミングがある。試行錯誤、早く失敗して早く学ぶ。ここは多くの企業が苦しむところ。データを集めるだけの意思決定をしても何も起こらない。チャンギ空港のトイレには掃除のレーティングができるようになっているが、問題があれば担当者がすぐに様子を見に行くことになっている。このような機器が200個くらい設置されている。これがデジタルアジリティ。どこに行くと学べるか?中国に行くべし。とても早い。迅速な実行が本当に強く理解している。
- ダーウィンは『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である』と言った。組織についても同じ。
- ジャックウェルチは『組織の内部の変化が、外部の変化についていけなくなった時、終わりはすぐそこにきている。』と言った。
<イシュー>
×如何にしたら、もっとデジタル化することができるか?
○デジタルをいかに活用することで、業績を向上することができるか?どうすれば良いか?
パフォーマンスにフォーカスすると、時間と金を無駄にすることがなくなる。デジタルはイネーブラー。何かを可能にするもの
×如何にしたらデジタル戦略を構築できるか?
○デジタルを如何に活用することで、アジャイル戦略を活用できるか?
×如何にしたら新たに追加したファンクションをデジタル化できるか?
○如何にしたら組織全体を横断してデジタル化できるか?
【根来先生の講演】
- マイケルが言っていた3つのバリューとはデジタル化がもたらさすバリューのこと。元々の製品が持っているバリューではない。バリューチェンジ・バリューイノベーションの分類を指す。
- ネットワークバリューがあるものはネットワークバリュー(プラットフォームバリュー)に該当する。ネットワークバリューがないものをコストバリューかエクスペリエンスバリューというコストと差別化伝統的なやり方で分類している。
- 日本の事例を取り上げて、わかりにくいものを解説する。
<コストバリュー事例1:PSI>
- PSIとはリバースオークションを行う会社。経営者はWBSの卒業生で、非上場だけどもうすぐ上場する。
- 購買のアドバイスをする会社で、買いたい人がどんどん値段を高くしていくのがオークションだが、売りたい人が値段をどんどん安くしていくのがリバースオークション。
- 仕様を決めて、いくらで納めるか?をオークション形式で札を入れさせる。安くなっていくので、あるタイミングのところで最も安いところに決める。ルールは「最も安いところに決める」こと。これは仕様の決定がとても難しい。丁寧な仕様書を作らないと品質が悪くなる。その書き方が難しく、ノウハウ。
- 200社以上の購買コストを平均20%低減した実績を持つ。サプライヤーに恨みを買うが、バイヤーには喜ばれる。従来からのおつきあいを大切にする購買部門にアピールしても響かないので、基本はトップセールスで広げる。
<コストバリュー事例2:ハンディ>
- 香港の会社で、日本の責任者がWBS卒業生
- シンガポールのホテルには大体おいてある無料スマホで、ホテルの外に持ち出しても良い。IP電話を日本にかけることもできるし、旅行客が無料で使える。使用料金は客ではなくてホテルが払っている。定額で月額980円払っている。これだけではコストが回収できないが、ツアーの予約をすると手数料が入ってくる。
- 外国に旅行した時に現地で使ってもらう。国内なら自分のスマホで良い。外国から来ると、ホテルには無料のスマホがあること前提でやって来る。海外携帯を持って来たり借りたりする必要がない。リピーターもつく。ホテル関係者は是非入れると良い。怪しい感じが漂っているから入れてくれないけど、いくつかのホテルは導入を始めている。
<エクスペリエンスバリューその1:ZOZOSUIT>
- ZOZOSUITは注文したけどまだ届かない。本当に作っているのかな?でも、ほとんど無料だし、皆もぜひ買って欲しい。原価は数千円かかっているらしいけど。
- ZOZOSUITを着ると、体型を測ってくれる。アプリでデータをZOZOに送ると、オーダーメイドを自動的に作ってくれる技術。ZOZOSUITには大量にセンサーがついている。アパレルの場合、試着しないと困ることもあるが、これで試着フリーにする狙い。新しい体験を提供している。
- ZOZOTOWNは本来女性ユーザーの方が多い。ZOZOSUITのランキングは男性の1位になったが、女性ユーザーは10位にも入らない。ZOZOTOWNにぴったりの自分の寸法を教えるのはまかりならん。という考えがあるのかもしれない。
<エクスペリエンスバリューその2:CASH>
- 昨年6月に始まったサービスで、ネット業界の人にとっては話題を振りまいた。とっても面白い。名前がえげつない。キャッシュですよ。よくこんな名前つけたね。株式会社キャッシュですよ。
- 靴やバッグの写真を撮って送ると、自動的に査定して口座にお金が振り込まれる。ものを送る前に振り込んで来る。現物見ないで買いとるノールック買取は画期的。即お金になるという新しい体験を提供している。
- お金を先に振り込むと、ものを送ってこないのでは?と心配になる人もいるだろう。しかし、98%の人はきちんと送って来る。アカウントには電話番号が登録されているので、そう簡単には逃げられない。電話番号はアカウント1つにしか使えない。2%の貸し倒れは織り込み済みで、その分は他の人が負担している仕組み。
- 当初は期間内にお金を返したらものを送らなくて良いというやり方をした。実質的な金貸しと言える。実際にサービスを提供してみたら、ものを送る人の方が多かった。中古買取のためにお金を払っているだけであるというグレーゾーンを攻めた。攻める勇気はたいしたもの。
<エクスペリエンスバリューその3:robomart>
- 「コンビニ行って来る」から「コンビニ呼ぶね」になる。
- コンビニが自動運転で巡回してやってきてくれる。手間の削減。高い可能性はある。手間を削った分だけコストに乗っている。
<ネットワークバリューその1:LINEのスタンプ>
(時間がかなり押していて)喋りすぎだな。
- 補完業者をたくさん集めてエコシステムを作る。
- 根来先生のイラストLINEスタンプも販売中!
<ネットワークバリューその2:クラシル>
- レシピ動画のコミュニティ。
- SNSで見た人が見ることを前提としてスタートした。SNSで配信してみるので、新聞社とは違う。
<デジタルディスラプション戦略 収穫戦略:コメ兵>
- 既存ビジネスを自ら傷つけながらも、鑑定つきフリマアプリに参入した。
- 中古ブランド品に特化している。
<デジタルディスラプション戦略 破壊戦略:東京海上>
- 保険業界ではライフネット生命がディスラプターとなっている。
- 東京海上は健康増進特約として1日 8,000歩で安くなる。
- どうせ他社がやるなら自分たちでやるというスタンス。私みたいな不健康な人ほど保管料が高くなる。人倫にもとる行為と言えよう。
<デジタルディスラプション戦略 拠点戦略:ランドログ>
- 新しいバリューを全部くっつけて、ディスラプターが追いつかないポジションをとって、ディスラプターをケチらす戦略
- 2017年11月からコマツが始めたサービスで、ドローンで測量したデータや建機のデータをインプットに使う。建機はキャタピラーでも日立建機でも良い。工事現場での最適運用をするために、どんなデータでも取り込む。そこをオープンにしている。建機の付加価値を作っているわけではない。コムトラックスは小松だけにつけていたが、こちらは別。
- 入力も出力もオープン化して、利用料をいただくデータビジネス。APIを第3社に公開した。入ってきても問題ないとしている。
- コマツはわが国でもデジタルの先進企業で始めている。No1になって一人勝ちすることが目標
【ネゴロク】
- 僕はオリジナリティを重視するから人の話を解説するのは好きじゃない。今日はかなり無理して喋ってる。オープンプログラムの方に来てくれると、そっちで喋ります。相手の話を理解しないと批判できないし、進歩もない。自戒も含めて、今日は自分のテイストを抑えて発表する。
- マイケル・ウェイドは3日くらいのセミナーをやっている。日本人は答えないって知ってるくせに、質問を振る。私だったら沈黙に耐えられないから質問しない。マイケルの強靭な精神を表している。私はあまり質問しないで進めます。
- 今日のアジェンダはこんな感じ。グレー部分はあまり触れません。聞きたかったらオープンプログラムに来てください。
- マイケルはアジャイル・アジャイルと言ってるけど、既存企業には難しいんだよ。
- マイケルたちは「プラットフォームバリュー」と言葉を定義したけれど、僕は「ネットワークバリュー」の方が良いと思うんだよな。補完製品がたくさんある・データがたくさんある・マッチングがあるというものを彼らはプラットフォームと呼んでいるが、学術的に厳密に考えると定義としてはあまり良くない。解説すると言ったのに文句言っちゃったな。
- 普段はやらないし、やりたくないことを無理してやる人(=根来先生)の解説なので、今日の講演には付加価値がある。
- デジタルディスラプション戦略のフレームワークは僕の方がかっこいい(笑)
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