今日は秋山仁先生の「今日からあなたはMathe-magician」
慶應丸の内シティキャンパスで開催されている夕学五十講で、秋山先生の講演会に参加。
数学に基づいて設計された「数学マジック」を紹介するユニークな講義。マジックのネタバレは興ざめなので、先生のメッセージやエピソードに絞って紹介。
- 数学者(Mathematician)と奇術師(Magician)を合わせた造語。家族や会社の人、スナックのお姉さんに披露してウケを取ってほしい(笑)
- 数学の理論で盛んなものの1つが、誤りを自分で見つけて正しく直す「誤り修正符号理論(Error-Correcting-Code)」。ノイズが多いデータからノイズを除去して見やすいデータに変換する。これによってCTスキャン画像がすごく見やすくなった。
- もう1つは予測理論。世の中のことは大概繰り返しが多く周期性が現れる。来るであろう未来を読んで、そこに到るまでに通るであろうパスを逆算して想定しておくべし。
- 学生には「場合分けの達人になれば、ノーベル賞に近づくよ」と教えている。本質的な場合分けを行い、分類して範囲を狭めて精密に分析することで真理に迫ることができる。
- 変数がいっぱいあると分かりにくいので、まとめて変数の数を減らすことが大切。Y=X^2-2X+3 という二次関数があるとき、式を変形してY=(X-1)^2+2と完成平方を作ったことがあるはず。これは最初の式では変数Xが式の2箇所に登場しているが、変形した後では1箇所だけで済んで分かりやすくなるから。
- 数学の研究者の価値観としては、何百年も解けなかった難問を解くのが素晴らしいというものがある。でお、僕では歯が立たないし人生を棒に振ると思った。僕は「小学生でもわかる定理」を作りたいと思った。知る人ぞ知るでは意味がない。
- 全ての職業は誰かを楽しませたり幸せにしたりするためにあるのが基本。数学者がその例外であってはいけない。今まで150の定理を作ってきたが、子供が面白いと喜んでもらえるものにしている。
- ゴテゴテした長い証明は美しくない。数学者はエレガントな証明を心がけるべき。ちなみにエレガントの反対はエレファント(笑)
- 子供の数学嫌いを治すには「面白いな」「不思議だな」と思ってもらうことが王道。もう1つの道は「できるようになると好きになる。好きになるとさらにやる」というサイクルを回すこと。好奇心に裏打ちされた努力が一番良いのだけれど、公文でもベネッセでも最初のできるようになる一歩をやらせるのも手。
- 東京理科大には数学体験館がある。土日も空いてるし、無料なので是非遊びに来て欲しい。
<個人的な思い出>
- 中学生の夏休みに、何気なくNHK教育をつけたらヒゲ・ロン毛が数学の説明をしていたのが最初の出会い。説明が面白い人だなと心に残る。
- 高校になって数学にハマりだし「大学への数学」という月刊誌を愛読し始める。その中で秋山仁先生の記事があって面白い人だなとさらに心に残る。
- 東京理科大での成績が悪くて大学院に進学できず、新設されたばかりの上智大学に自分だけが受験して進学したとか、留学中は日曜に1週間分のカレーを作って、それだけを食い続けて勉強に集中したりとか、高校時代は受験勉強ではなくて喧嘩用のキックの練習をしてたとか(笑)そんなエピソードを覚えてる。
- 私は物理や化学よりも数学から理系に進んだようなものなので、ある意味理系人生を歩むキッカケになった人だったかも。
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