『「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明』(伊神満:日経BP社)
「イノベーターのジレンマ」を読んだ著者が「テーマと事例は面白いが、理論も実証もゆるゆるだ。経済学的に煮詰める必要がある」と考え、「経済学の本気をお見せしよう」という本。
本著では下記の3つの理論をベースにしている。
- 置換効果:既存企業の場合、新製品から利益を得ても、それは旧製品からの置き換えだけで「共食い」してしまうので利益は対して増えない。逆に新規企業はやること全部が利益の純増につながる
- 抜け駆け:既存企業は新規参入してくる企業に先駆けて新技術を独占してしまえば、新たな競合の参入を妨げて利益を確保できるので先制攻撃に走る
- 能力格差:研究開発能力の優劣によって、1と2のパワーバランスが異なる
この理論から「イノベーターのジレンマ」を実証するまでのお作法や変数の設定、実証の流れをわかりやすく解説している。得られた結論が大切なわけではなく、そこに到るまでの実証が見ものというのはまさにその通り。
経済学の研究の流れを詳しく解説しているというと硬めに思われるが、心配無用。著者の独特のキャラというか、いろんな例え話やシニカルな言い回しがちょいちょい盛り込まれていて、脱線して伏線を張りながら本編に戻って進めるというスタンスで進むので読みやすい。この脱線の仕方は私は好きだけれど、好みは別れるかもしれない。
昨年、NISTEPの講演会で話を聞いてめっちゃ面白い人だと思っていたので、出版されたと聞いてすぐに読み終えた。
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PCと本を詰め込んで使っていたカバンがさすがに寿命を迎えたので、新しくリュックを買った。USBポートがついていて、リュックの中にバッテリーをさせば、リュックの外からスマホが充電できるらしい。便利かどうかまだわからん(笑)
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4月から8週もたつとすっかり夏が見えてくる季節。
GRIPS敷地内にはピクニック的に使えそうなベンチテーブルもあり、朝はとても気持ち良さそう。
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5/26(土)根来先生授業でのネゴロクはこちら。授業の様子の取材も入ったからか、比較的脱線少なく進行したので取れ高は抑えめ(笑)
【ネゴロク】
- ケースの社長がとても若い。まだ20代で、ここにいる大体の皆さんより若い。少なくとも私よりちょっとだけ若い(笑)
- オポチュニストの方が良いですよね、世の中明るく考えなきゃ。私はオポチュニストでもペシミストでもなく、ただの皮肉屋ですけど。
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